次世代の開発スタイルのサポートがボーランドのミッション

2003/12/9

米ボーランド Togetherビジネスユニット責任者 トニー・デ・ラ・ラマ氏

 J2EE、.NET、Webサービスなどの新しいテクノロジの登場で、ソフトウェアの開発スタイルが変革を求められている。米ボーランド Togetherビジネスユニット責任者 トニー・デ・ラ・ラマ(Tony de la Lama)氏は、「MDA(モデル・ドリブン・アーキテクチャ)こそが次世代の開発スタイルとして標準となるべきだ」と語り、これからのソフトウェア開発のあるべき姿を示した。

 MDAによる開発にとって重要なのはそのソフトウェアで“何を行うのか”というモデルをち密に設計することだ。すなわち、よい“デザイン”がつくれれば、後はジェネレータに任せてJ2EEや.NETの各プラットフォームに合わせたコードを吐き出すだけで、よい“アプリケーション”が作成できるということだ。「モデルからさまざまなプラットフォームに落とす部分はJ2EE、.NETそれぞれのエキスパートに任せればよい」(トニー・デ・ラ・ラマ氏)。

 ボーランドは、J2EE開発におけるモデルとコードの2Way開発を実現するツールとして「Together ControlCenter」を、.NET開発における同様のツールとして、「Visual Studio .NET」のプラグインとして使用する「Together Edition for Microsoft Visual Studio .NET」をリリースしている。Togetherはさらに、IBM WebSphereやSAP(英語版のみ)、オープンソース開発ツールのEclipseに対応したものまで、非常に幅広くリリースしている。J2EEや.NETなど、あらゆるプラットフォームにおいて、モデルからコードの自動生成を実現するツールを提供しようというスタンスだ。これらのツールはまだMDAで定められたモデルを完全にサポートしていないものの、今後の製品ロードマップはMDAをサポートする方向性にあるという。

 また、ボーランドは、現在の開発現場の大きな要求として仕様変更に機敏に対応できるということを取り上げ、ALM(Application Lifecycle Management)ソリューションの提供をうたっている。これを統合されたツールとして提供するのが、2004年第1四半期に日本語版のリリースが予定されている「Borland Enterprise Studio 7」だ。同製品は「JBuilder」とTogether ControlCenterを統合した開発環境。「JBuilderとTogetherとでだぶっていた機能がある。それぞれの良い部分を取り、IDEはJBuilderから、それ以外の部分はTogetherから採用した」(同氏)という。さらにStudio 7は、要件定義を行うための「Borland CaliberRM」、テスト工程をサポートする「Borland Optimizeit Suite」などで構成され、それぞれがシームレスに接続されている。そのため、アプリケーション開発のあらゆるフェイズで発生する変更要求に柔軟に対応できるとしている。

 Studio 7はJ2EE開発におけるあらゆるサイクルをサポートした製品だが、今後も単体で提供されるJBuilderやTogether for xx、CaliberRMなどはボーランド製品だけでなく、他社の製品とも連携できるように配慮されている。「われわれの製品は共通のフレームワークの上に作られていて、シームレスにつながり、開発サイクル全体を包括的にサポートする。しかし、常にスタンダードをサポートすることによって、ユーザーが必要とするなら、他社製品ともシームレスに連携し、開発サイクル全体をサポートすることが可能なように製品を作っている」(同氏)としている。

 ボーランドにとって重要なのは、ユーザーが抱える次世代の開発スタイルのニーズに答えること、そしてオープンであることだと同氏はいう。つまり、決してボーランド製品による囲い込みを狙いとしていないということだ。また、オープンな開発ツールとして最近人気を集めるEclipseについて同氏は、「Eclipseは決してオープンではない、IBMの戦略にロックインされる可能性はまだ残っている。つまり、フリーほど高いものはない」と警告を発した。

(ナレッジリンク 宮下知起)

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