「UML採用は15%以下」、新技術を警戒するユーザー企業

2003/12/17

 「UMLを採用しているユーザー企業は15%以下」。日本情報システム・ユーザー協会の専務理事 細川泰秀氏は、イーシー・ワンが主催したセミナーイベント「cBankForum2003」で講演し、UMLなどオブジェクト開発に対するユーザー企業の取り組みの現状を明らかにした。

日本情報システム・ユーザー協会 専務理事 細川泰秀氏

 細川氏が示した資料によると、調査対象のユーザー企業のうち、UML、コンポーネント設計、データ・オリエンテッド・アプローチ(DOA)を実際に開発に採用しているのは15%以下に過ぎなかった。EA(エンタープライズ・アーキテクチャ)、XP(エクストリーム・プログラミング)、EVM(Earned Value Magaement)の採用に至っては5%以下だった。

 オブジェクト開発手法、プロジェクト管理技術の採用をためらう理由としてユーザー企業が挙げたのは、「効果がわかりにくい」「必要性を感じない」「適切な指導者がいない」ということ。細川氏は「一般に関心が低い」として「現れては消える新技術への警戒心、不信感があるのでは」と指摘した。

 細川氏は、ユーザー企業に行ったシステム・インテグレータ(SIer)への満足度調査も公表した。SIerが行う業務のうち、システム運用・保守については、調査したユーザー企業の半数強が「おおむね満足」と回答。しかし、業務コンサルティングでは、20%のユーザー企業が「まったく不満」と答えていて、「おおむね満足」は30%もなかった。システム開発では「おおむね満足」は30%程度だが、「まったく不満」も30%近くで、ユーザー企業がSIerのコンサルティング、開発に対して強い不満を持っている現実が明らかになった。

 また、ユーザー企業のベンダ評価では、半数近くの企業が「ベンダの提案力が不足」と回答。ユーザー企業の業務に合わせてソリューション・パッケージを用意するベンダは多いが、ユーザー企業との間でミスマッチがあるようだ。ただ、ユーザー企業の半数強は「定義不十分で発注した」と答えており、ベンダに求める提案内容が不明確なケースも多いと思われる。

(編集局 垣内郁栄)

[関連リンク]
イーシー・ワン
日本情報システム・ユーザー協会

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