QuickTime6.5とauのムービーケータイ、その密接な関係

2003/12/25

KDDI ソリューション事業本部 コンテンツ本部 コンテンツ開発部 コンテンツ開発第2グループ 上月勝博氏

 アップルコンピュータがQuickTimeのモバイル対応に力を入れている。12月19日に発表した「QuickTime 6.5」では、CDMA2000とGSMワイヤレスネットワークの2つの規格に対応した。この結果、モバイル端末におけるマルチメディア・フォーマットのサポートの幅を3rd Generation Partnership Project(3GPP:GMSベース)と3rd Generation Partnership Project 2(3GPP2:CDMA2000ベース)に拡大した。
 
 なお、3GPPと3GPP2の対応には、Advanced Audio Coding(AAC)をはじめ、Adaptive Multi-Rate(AMR)およびQualcomm Code Excited Linear Predictive(QCELP)オーディオコーディック、MPEG-4およびH.263ビデオコーデック、3G Timed Text、ネイティブ.3gp、.3gp2ファイルフォーマットのサポートが含まれる。

 アップルのこのような取り組みは、日本国内ではKDDIに影響がある。現在、653万人強を超えるauのムービーケータイ所有者は、QuickTime 6.5のみを使用して、従来のAMCフォーマットと3GPP2標準フォーマットの双方のEZムービーコンテンツをデスクトップ上で作成、あるいは再生することができるようになる。また、現在KDDIがプロモーション中の第3世代携帯電話定額制サービス「CDMA 1x WIN」のコンテンツ制作ツールとして、QuickTime 6.5が存在感を強めることにもなるのだ。

 周知のように、国内における第3世代携帯電話の普及という側面で、KDDIは巨人NTTドコモの機先を制した感がある。

 KDDIの調査によると、携帯電話の加入者数全体のシェアでは、auは19.8%に過ぎない(2003年11月現在)。だが、第3世代携帯電話に限定すると、86.7%とほぼ寡占状態になる。月ごとの加入者の純増数でも2003年11月の実績は23万9300人であり、この数字は、11月の純増数別シェアでは、NTTドコモやボーダフォンを圧倒的に引き離して、「70%のシェアを得るほどの数字」(KDDI ソリューション事業本部 コンテンツ本部 コンテンツ開発部 コンテンツ開発第2グループ 上月勝博氏)であるという。なお、auの携帯電話加入者に占めるムービーケータイ利用者の比率は約42%に達する。

(編集局 谷古宇浩司)

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