3A分野に興味持つシマンテック、次の動きは?

2004/1/28

米シマンテックの社長兼COO ジョン・シュワルツ氏

 米シマンテックの社長兼最高業務執行責任者(COO) ジョン・シュワルツ(John Schwarz)氏は、同社の製品ラインアップの中で今後、認証(Authentication)、許可(Authorization)、管理(Administration)の3A分野を強化する方針を明らかにした。シマンテックは2003年だけで3社を買収するなど、他社技術の取り込みで製品ラインアップを拡充している。3A分野の拡充でも他社の買収はあるのか。

 シュワルツ氏は3A分野について「シマンテックではカバーできていない」と説明。「特にアイデンティティ管理、アクセス管理に興味がある」と述べた。そのうち、アイデンティティ管理ではOSを開発するベンダとの協調が必要だとして、マイクロソフトやLinuxを展開するベンダと協力する考えを示した。

 シュワルツ氏はシマンテックが展開する企業向けセキュリティ戦略について、「ゲートウェイ、サーバ、クライアントのそれぞれのレイヤで防御する」として、「これらを統合した形で提供する」と述べた。特にセキュリティ製品やセキュリティポリシーの効率的な管理が重要と指摘し、「マネジメントを可能な限りシンプルにする」と今後の方向性を説明した。シマンテックでは他社のセキュリティ製品も含めて管理できるソフトのラインアップ拡充を急いでいて、企業の管理コスト削減をアピールしている。

 また、日本市場についてシュワルツ氏は「企業のセキュリティ技術の採用が他国に比べて遅れている」と指摘。欧米企業と比較して日本企業のセキュリティに対する投資が10分の1しかないとしたうえで、「インターネット上の危険性は、日本もニューヨーク、トロントと同じ。日本企業はセキュリティに対する認識を高めて、防御のために適切な投資をすべき」と主張した。

(編集局 垣内郁栄)

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