やっぱり高い“紙”への依存度、IBM+アドビが新提案

2004/2/4

 日本IBMとアドビ システムズはIBMのミドルウェア、アドビのPDFを組み合わせた電子申請、帳票作成ソリューションを開発し、両社のパートナーを通じて販売を開始すると発表した。金融、官公庁向けに売り込む。両社はセミナーなどマーケティング活動も協力し展開する。日本IBMの執行役員 ソフトウェア事業担当 三浦浩氏は「電子申請、帳票の国内市場はとても大きい。期待している」と述べた。

日本IBMの執行役員 ソフトウェア事業担当 三浦浩氏。2004年のIBMソフト戦略について「ブランド別のコンポーネントでなく、顧客に近いソリューションを提供したい」と述べた

 協業は、米IBMと米アドビが2003年10月に発表したワールドワイドでの協業を受けた内容。IBM、アドビは、PDFをベースに電子申請フォームを作成できる「Adobe Form Server」と、登録されたデータをデータベースに登録し、オフィス内の文書レビューや承認など文書のワークフローを管理する「IBM DB2 Content Manager V8」を組み合わせた電子申請ソリューションと、SAP R/3向けの帳票出力管理ソリューションを提供する。

 電子申請ソリューションは、金融や官公庁が提供するオンライン申請サービスを構築する。エンドユーザーは金融や官公庁のWebサイトからPDFの電子フォームをダウンロードし、必要項目を入力し送信。送信されたデータはアドビが開発しWebSphereに実装するコネクタでXMLデータに変換され、Content Managerで処理。Content Managerを使って承認などのワークフローにまわされる。社内での文書のレビューにもAdobe Readerを利用する。PDF文書に対して電子署名を付けることもできる。XMLのメタデータのほかに、入力されたフォーム自身も保存することで、法規制などさまざまな要求にこたえることができるという。アドビはContent Manager用のコネクタをバンドルした「Adobe Form Server for IBM」も2004年下期に発売する。

 SAP R/3向けの帳票出力管理ソリューションは、R/3の帳票をPDF形式で出力し、Content Managerで一元管理する。「Adobe Output Pak for mySAP.com」「IBM DB2 CommonStore for SAP」を連携させる。アドビが各製品の連携に必要なコネクタを開発。アドビはこれまでもR/3向けの帳票出力管理ツールを提供してきたが、新たにContent Managerと連携させることで、電子帳簿保存法への対応を強化したという。

 両社のソリューションの特徴はXMLデータだけでなく、文書をイメージデータとしても取り扱うことができる点。金融や官公庁ではすべてのワークフローを電子ドキュメントで処理するケースは少なく、いずれかのプロセスでデータを紙に出力、またはイメージデータとして保存することが多い。紙への出力機能が豊富なPDFを使うことで、ユーザー企業は従来のビジネスプロセスを大きく変えることなく、フローを電子化できる。IBM、アドビは共同セミナーのほかに、それぞれのパートナーを支援するプログラムも実施する。

(編集局 垣内郁栄)

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日本IBMの発表資料
アドビ システムズの発表資料

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