1TB単位課金で使いやすく、HPがストレージに新プログラム

2004/2/20

 日本ヒューレット・パッカードは同社のストレージ製品を対象に、1TB単位でストレージの利用料を課金する新しい支払いプログラム「CBP(Capacity Based Payment) for StorageWorks」の提供を開始したと2月19日、発表した。従来の課金形態と比較して初期導入コストが半分以下になるといい、HPでは「可用性、信頼性が高いハイエンドストレージを、低い初期導入コストで利用してもらえる」とアピールしている。

日本HP エンタープライズストレージ・サーバ統括本部 ネットワークストレージ製品本部 本部長 伊藤重雄氏

 CBPが利用できるのはHPのハイエンドストレージ「HP StorageWorks XPシリーズ」「HP StorageWorks EVA5000」。HPは顧客企業のビジネス計画を調査し、ストレージを使い始める際の必要容量と、2年後に必要になるだろうと予測されるストレージ容量を推測。調査などから顧客に課金する1TB当たりの価格を決定する。顧客がHPに支払う必要があるのは、1TB当たりの価格に、利用するストレージ容量を積算した合計金額だけ。1TB当たりの価格にはストレージ容量の価格のほかに、ディスクを収納するフレームや管理ソフト、導入・保守サービスの価格も含まれる。

 通常の契約では、契約時にフレームや管理ソフトの金額を支払う必要があり、ディスク価格を合わせて初期導入コストが膨大になっていた。しかし、CBPを利用することで、初期導入コストを抑えることができ、少ないコストでハイエンドストレージを利用できる。もちろん、ビジネスが成長しディスクを増設しても、1TB当たりの価格は契約中は変わらないので、予算が立てやすいというメリットもある。ストレージに対して巨額の投資をしたにもかかわらず、ビジネスが中断して投資が無駄になるという「初期投資のリスクを避ける」(日本HP エンタープライズストレージ・サーバ統括本部 ネットワークストレージ製品本部 本部長 伊藤重雄氏)というのがHPが売り出したいポイントだ。

 ただ、HPと顧客が契約するストレージの利用年数をベースにすると、CBPを利用した場合と、通常の形態でストレージを購入した場合のトータルコストは同じになる。例えば、あるストレージを3年利用すると契約した場合、CBPでの初期投資コストは通常形態の半分以下。しかし、CBPを3年間利用し続けて、ディスクを順次追加し、予定している容量まで拡張した場合のトータルコストは、通常形態でストレージを購入し、ディスクを同じ容量まで拡張した場合と同じになるよう計算されている。

 1TB当たりの価格は、HPのコンサルティングが顧客のビジネス計画から割り出した必要なストレージ容量と、2年後の予定容量、それに加えてストレージ製品別に設定されたサービスレベルによって異なる。サービスレベルは利用するディスクのアクセススピードや信頼性、保護レベルで規定。HP StorageWorks EVA5000を使い4TBでスタートしたケースのサンプル価格は、1TB当たり400万円台になる。

 では、ストレージの容量拡張が、ビジネスの縮小などで止まってしまった場合はどうなるのか。CBPは予定容量までストレージ容量を拡張しながら契約年数まで利用して、初めてトータルコストが通常形態と同じになるプログラム。もし、顧客が途中でストレージの利用を打ち切ったり、容量の拡張が途中で止まってしまったら顧客の支払いは少なくなり、HPは損害を受けることになる。だが、日本HPの伊藤氏は「ゴールに行かなくても顧客にペナルティはなく、差額は請求しない。リスクはHPが取る」と説明した。その分だけ事前のコンサルティングは厳密に行う。逆に契約期間内に容量の拡張が予定以上になってしまっても、1TB当たりの価格は同じにするという。

 HPはすでに国内10社にCBPを試験導入している。利用しているのは製造、通信、オンラインストレージサービスなどの企業。CBPは好評で、ストレージ容量も計画通り伸びているという。HPではCBP開始1年で20社程度の獲得を目標としている。

 HPは利用するストレージ容量に対して従量課金するプログラムも国内で始められるよう準備している。CBPに対して従量課金プログラムは、利用するストレージ容量が季節やビジネスの状況によって増減する企業を主な対象にする考え。ただ、ストレージ容量は基本的に右肩上がりで増える企業がほとんどで、従量課金プログラムを導入しても顧客がトータルコストを削減できるかは疑問の声が多い。

(編集局 垣内郁栄)

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日本ヒューレット・パッカードの発表資料

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