打倒SQL Serverでケンカ腰、オラクルがOracle 10gを10万円に

2004/3/4

 日本オラクルはデータベースの新製品「Oracle Database 10g」を4月5日に出荷開始すると3月3日に発表した。価格を値下げし、クラスタ構成でデータベースを組める「Oracle Real Application Clusters」(RAC)を標準搭載するなどマイクロソフトの競合製品「SQL Server」から顧客を奪還する戦略を明確に打ち出した。日本オラクル 代表取締役社長 新宅正明氏は「IBMは眼中にない」として「Windows環境でのオラクル・データベースのシェアを現在の48%から今後1年で60%以上に高めたい」と述べた。

日本オラクル 代表取締役社長 新宅正明氏。「マイクロソフトは製品については手を打てないだろう」と自信を見せた

 新宅氏によるとオラクル・データベースは、ハイエンドのミッションクリティカル分野で使われるUNIXプラットフォームでは2002年度に68.4%のシェアを獲得していて他社を圧倒、「ハイエンドでは競争相手がなくなりつつある」(新宅氏)という状況だ。また、ミドルレンジでの利用が多いLinuxプラットフォームでも54.2%のシェアがあり、強さを保っている。一方で中小規模システムで利用が多いWindowsプラットフォームでは48.3%。シェアはトップだが、マイクロソフトのSQL Serverに追撃を受けている状態だ。1997年当時はWindowsプラットフォームでオラクルは60%のシェアがあったといい、奪われたシェアを取り戻すのがOracle Database 10gの使命。

 オラクルが対SQL Serverで打ち出した対策の第1番目は低価格戦略。Oracle Database 10gを2CPUまでのIAサーバで利用する中小規模企業に対しては、2003年12月に始めたライセンス体系「Oracle Standard Edition One」の搭載可能なプロセッサ数を従来の1CPUから2CPUに引き上げて、適用できるシステムの幅を広げた。また、利用するユーザー数で課金する「Named User Plus」を従来価格から24%値下げて1万8600円(最小契約数は5ユーザー)にした。CPUライセンスも17%値下げし、62万4400円にした。値下げした結果、最小契約数の5ユーザーでOracle Database 10gを使う場合の価格は9万3000円と10万円を切り、マイクロソフトの「SQL Server 2000 Standard Edition」(5CAL)と比較して3分の1の価格になるという。

 2番目の戦略は可用性の向上だ。従来はオプションだったRACを「Oracle Database 10g Standard Edition」に標準で搭載する。利用できるプロセッサが4CPU、オラクルのクラスタウェア「Cluster Ready Services」、ストレージ管理ソフト「Automatic Storage Management」の利用が必須だが、RAC付きでも価格は従来のStandard Editionと同じで、Named User Plusが3万7500円、CPUライセンスが187万5000円。日本オラクル 取締役専務執行役員 山元賢治氏は「SQL Serverと同等の価格でRACを構築可能」として「大きなディスカウントだ」と強調。「Windowsのハイエンド市場でシェアを確保したい」と狙いを述べた。

日本オラクル 取締役専務執行役員 山元賢治氏

 さらにオラクルはあからさまにマイクロソフトをターゲットにした「SQL Server下取りプログラム」も4月5日に開始。同プログラムは、顧客企業のSQL Serverをオラクルが下取って、その差額でOracle Database 10gを提供する内容。例えば、SQL Serverの購入価格が1200万円で、乗り換えるOracle Database 10gの定価が3000万円の場合、同プログラムを利用する顧客はその差額の1800万円を支払うだけでOracle Database 10gを導入できる。また、SQL Serverの下取り価格がOracle Database 10gの定価の50%を超える場合は、Oracle Database 10gの定価の50%分までを下取り価格で補うことができる。つまり定価の半額でOracle Database 10gを導入できるということだ。SQL Serverの下取り価格はエディションやプロセッサ、CALによって異なる。対象はSQL Server 4.2以上。

 「Oracle Database 10g Enterprise Edition」の価格は従来どおりでNamed User Plusが10万円、CPUライセンスが500万円。管理ツールの「Oracle Enterprise Manager 10g」は有償で、Named User Plusが7500円、CPUライセンスが37万5000円となっている。

 対SQL Server戦略を明確に打ち出したオラクルだが、4月5日に出荷するのはOracle Database 10gのSolaris、HP-UX、Linux(32ビット)、AIXの各プラットフォーム版。肝心のWindowsプラットフォーム版は32ビット用が5月中、64ビット用が準備中となっている。提供が遅くなるのは、Windows環境でのパフォーマンスを向上させるためにUNIX版からのポーティングではなくWindowsネイティブで開発しているためで、オラクルの本気度の証しともいえる。

(編集局 垣内郁栄)

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日本オラクルの発表資料

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