「中堅企業こそオンデマンドが必要」と唱えるIBMの狙い

2004/3/5

 日本IBMは、IBMグループが世界で展開する中堅企業向けソフトベンダとのパートナープログラム「ISV Advantage Agreement」に内田洋行、エス・エス・ジェイ、日本アイテックスの3社が加わった、と3月4日に発表した。IBMのミドルウェア上で稼働する中堅企業向けのアプリケーションを共同で開発する。日本IBM 執行役員 ソフトウェア事業担当 三浦浩氏は「ビジネスの変化にクイックに対応することが求められる中堅企業はオンデマンド・ビジネスへのニーズが高い」と指摘したうえで、「中堅企業のニーズは多岐にわたる。ISVと協力することで対応したい」と述べた。

日本IBM 執行役員 ソフトウェア事業担当 三浦浩氏。低価格戦略を打ち出したオラクルの「Oracle 10g」について、「DB2の価格体系は市場に合わせて見直していきたい」と述べ、場合によっては低価格ライセンスなどを検討する考えを示唆した

 IBMはパートナーと協調する姿勢を世界的に打ち出していて、3月2日には米IBMがパートナー支援プログラムに2004年だけで10億ドルを投じる考えを表明した。IBMのソフトウェアの5つのブランドにこだわらず、ISVと協力して金融やヘルスケアなど業種別にソリューションを用意するという。米IBMのシニア・バイス・プレジデント兼グループエグゼクティブ スティーブン・ミルス(Steven A. Mills)氏は、IBMのミドルウェア、ISVのアプリケーションを組み合わせた62種のソリューションを用意する考えを2月に示していた。日本IBMは、国内の中堅企業向けソリューションにもISVと協力し業種別のメニューを増やしていく方針だ。

 ISV Advantage Agreementに基づき、日本IBMは中堅企業向けのソリューションをISVと共同開発する。内田洋行とは同社のERPソフト「SuperCocktail」とIBMのDB2を組み合わせたソリューションを開発する。日本IBMは約200社のSuperCocktailのパートナー企業に対してDB2のトレーニング支援も行う。エス・エス・ジェイとは、同社のERPソフト「SuperStream」のフロントエンド製品をWebSphereに対応させる。また、日本アイテックスとは、同社の人事管理システム「ePro_St@ff」をDB2、WebSphereに対応させ、共同でソリューションを開発する。3社が加わったことでISV Advantage Agreementの国内での参加企業は13社になった。現状ではERPを核にしたソリューション開発が中心だが、今後は業種別ソリューションを含めて製品分野を広げていく。

 また、三浦氏はオンデマンド・ビジネスの実用例としてトヨタ自動車とソニーの事例を説明した。トヨタは自動車開発の基幹システムである「部品表システム」を、WebSphere Application Server、DB2などを使って再構築し、2004年から稼働を始めた。開発から生産、物流の各段階での国内外の情報共有が進み、新車の開発期間を短縮化することになると予測。オープン系のテクノロジを活用したことでシステムの柔軟性が向上し、新事業の展開などが容易になると期待している。

 ソニーはデジタル家電に組み込むデータ制御基盤を、DB2 Everyplaceを使って構築。デジタル家電がより高機能になり、音楽、映像のダウンロード機能が向上することを期待している。開発期間、コストの開発生産性も向上すると見込んでいる。三浦氏は「一部の顧客ではeビジネス・オンデマンドが実現されている」として「eビジネス・オンデマンドは現実の世界に入ろうとしている」と強調した。

(編集局 垣内郁栄)

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日本IBMの発表資料

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