XSL-FOの実装レベルは世界最高水準、アンテナハウス

2004/3/11

アンテナハウス 代表取締役 小林徳滋氏(右)と同社 開発グループ グループリーダー兼XML開発担当 中村正三郎氏(左)

 アンテナハウスは3月10日、標準レイアウト指定言語「XSL-FO(Formatting Object)」で書かれたコンテンツを紙に印刷したり、PDFにするための組版ソフト「Antenna House XSL Formatter V3.1」を発表した。汎用レイアウト指定言語XSL-FOを実装した組版ソフトは現在、世界で十数種類が販売されている。「海外の専門家の間ではAntenna House XSL Formatterが最も優れた製品であるとの評価を受けている。私がいっても信じてもらえないだろうが」と、同社の代表取締役 小林徳滋氏は自社製品に絶対の自信を持つ。

 同社がXSL Formatterを開発し始めたのは1999年であり、2001年にXSLの勧告仕様に準拠した製品を発売した時点では、ほとんど競合製品は存在しなかった。その意味では世界的にも独走状態だったといっていい。その状況は現在においても変わらず、XSL仕様の実装レベルは「現在世界で最も進んでいる(同社のデータによると、仕様プロパティ数80%以上の実装レベルを誇るのは同社のみ)」(小林氏)。

 海外ではXMLでデータを記述し、XSL-FOのような汎用のレイアウト指定言語を使って、例えば数千ページの膨大なサービス・マニュアルや数十カ国の言語マニュアルのPDF作成を行うケースが多い。また、銀行のステートメントなど数十万件以上のデータの組版、複雑なレイアウトの証券分析レポートのサーバ上での自動PDF化といった用途も多い。Antenna House XSL Formatterの海外における販売比率が全体の80%を占める状況なのは、海外と日本国内の状況の違いによる。日本国内はいまだ、XSL-FOを活用したPDF出力そのものを行うことが少ない。

 Antenna House XSL Formatterの活用を促進させる道として、同社はXML帳票印刷用途に注目、帳票・レイアウト作成ソフト「「XSL Template Designer」を4月上旬に出荷することにした。同製品は、XML帳票をプログラム・レスでレイアウトするためのツールで、GUI DesignerとJavaで書かれたRuntime Engineの2つで構成されている。

(編集局 谷古宇浩司)

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