ガーデニングの極意とオープンソースの関係、米レッドハット

2004/3/18

米レッドハット マーケティング担当 副社長のジョン・ヤング氏

 レッドハットは3月17日、オープンソースの最新動向とレッドハットの取り組みを紹介するイベント「World Tour 2004 Tokyo」を開催した。同イベントは、米レッドハットの主要スタッフが世界各地を周りながら、セミナーを開催するというもの。マーケティング担当 副社長のジョン・ヤング(John Young)氏やシニア・コミュニティ リレーションシップ・マネージャのジェレミー・ホーガン(Jeremy Hogan)氏などが6カ国、7都市を巡る。東京はその皮切りとなる。

 ヤング氏はIT業界におけるオープンソースの重要性について改めて力説した。「オープンソースが現在のIT業界にとって欠くべからざる存在であることはすでに明らかだろう。標準技術の採用、低いTCOによる導入顧客への価値の提供、技術の革新性、オープンソースプロダクトの構築モデルがもたらす高い品質、柔軟性といった数々のメリットが指摘できるが、最大の要素は『選択の価値』(Value of Choice)だろう」(ヤング氏)。

 ITシステムの構築において、顧客が自由に技術なり製品なりを選択できる環境があるということは、IT業界の市場の発展のみならず、巨視的な視野でみれば、国家レベルの経済成長にも大きく貢献する要素だとヤング氏はいう。「競争のない所に発展はない。1985年の米国における通信規制によって、AT&Tの寡占状態は消滅したが、その結果、現在のような多種多様な通信サービスが生まれる下地となった」。

 ヤング氏の趣味はガーデニングだという。3月15日に日本に到着し、六本木ヒルズ内にある庭園の散策を行いながら、飛行機の疲れをいやした。庭園に関して一家言あるヤング氏は、その庭園をみてつくづく、『選択の自由』の重要性を実感したという。「さまざまな種類の草花を自由に選択し、アレンジすることが庭園の美しさの基盤である。害虫対策および病気の対策という観点からみても、同じ花を同一の場所に集中させることは避けなければならないものだ」とヤング氏は話す。

 ヤング氏がこのようなたとえ話をするのも、Linuxに限らず、オープンソースプロダクトが、企業の基幹系システムに本格的に採用され始めたからだろう。米フォレスター・リサーチの2003年3月の調査によると、米国の大企業の72%が何らかの形でLinuxを自社のシステムに採用する計画があると回答している。

 このような状況を受けて、レッドハットでもエンタープライズ向け標準のLinuxと位置付ける「Red Hat Enterprise Linux」の展開に一層力を入れていく計画である。

(編集局 谷古宇浩司)

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