“顔”を売り出す2004年のマイクロソフト

2004/3/30

 マイクロソフトの常務執行役 エンタープライズビジネス担当 平井康文氏は、同社のエンタープライズ向けビジネスの今後について、「現状で1000以上ある業種別のソリューションを30〜40に絞り込んで、各業種のマーケットに確実にリーチできるようパートナーとタッグを組んで提供する」と3月29日に述べた。包含的でどの業種でも利用できるソリューションではなく、製造業向けPLMなど「業種の語り口」(平井氏)に合致したソリューションを提供。マイクロソフトが前面に出ていくことで「顔が見えるマイクロソフト」を実現するという。

“顔”を前面に出すマイクロソフトの常務執行役 エンタープライズビジネス担当 平井康文氏

 マイクロソフトはソリューションを提供する業種として金融、製造、流通・サービス、通信、公共の5分野を設定し、パートナーとともにソリューションを提案している。ソリューションのベースになるのは、マイクロソフトのビジネス・インテリジェンス(BI)やポータル、アプリケーション統合、業務アプリケーションなどの製品だ。これらとパートナーの製品、サービスを組み合わせて1000あまりのソリューションを構築してきた。しかし、「これは問題。マーケットにリーチできているかわからない」(平井氏)との判断でソリューションを30〜40に絞り込む。同時にBIソリューションを提供するにしても金融向け、自動車製造業向けと、業種の性格に合わせてパートナーと内容を精査する。

 特に力を入れるのはSQL Serverを使ったBIの市場だ。マイクロソフトは今年、他社製データベースからSQL Serverへの移行を支援するマイグレーション事業を強化する。その中核としてBIのソリューションを考えている。出荷が2005年上半期に延期されたSQL Serverの次期バージョン「Yukon」(開発コード名)では「BI機能を拡張する。企業の基幹業務のマイグレーションにも対応できるようにする」(平井氏)という。マイクロソフトではBIチームの人員拡大も計画しているという。

 平井氏はマイクロソフトのエンタープライズ事業について「従来はパートナーの後ろで製品をリリースし、支援するのが主だった」と指摘。「現在は業種別の営業、プリセールス、ソリューションチームを設置して、顔が見えるマイクロソフトを実現している」と強調した。

(編集局 垣内郁栄)

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