業界EDIがターゲット、インテックがRSAと組んでPKIサービス

2004/3/31

 インテック コミュニケーションズはRSAセキュリティ、米Counterpane Internet Security(CIS)と提携し、認証局とネットワーク監視の新サービスを開始すると3月30日に発表した。インテック コミュニケーションズの代表取締役社長 深川孝征氏は、「通信サービス事業者として安全なサービスを提供するには、PKIとマネージド・セキュリティサービスが不可欠」と述べた。インテック コミュニケーションズは新サービスを導入することで、2006年にセキュリティ関連で10億円の売り上げを目指す。

RSAセキュリティ 代表取締役社長 山野修氏(左)とインテック コミュニケーションズ 代表取締役社長 深川孝征氏

 インテック コミュニケーションズはRSAと提携し、米RSAセキュリティのルート認証局が発行するルート証明書によって認証されたパブリック証明書を、顧客企業のWebサーバやクライアントに発行する新サービス「EINS/PKI+」を6月に始める。認証局の構築には「RSA Keon Certificate Authority」を使用。RSAのルート証明書を利用したPKIサービスの提供には「RSA Keon Root Signing Service」を使う。RSA Keon Root Signing Serviceを使ってRSAのルート証明書の認証を受けた証明書を国内のサービス事業者が発行するのは初めて。RSAはインテック コミュニケーションズに対して技術提供、販売で協力する。

 インテック コミュニケーションズが発行するパブリック証明書は、SSLサーバ証明書とクライアント証明書。インテック コミュニケーションズは世界中のメーカーが参加し、高度な認証が要求される大規模な業界EDIなどでの利用を見込んでいる。ほかに企業のイントラネットなどで利用できるプライベート証明書も発行する。SSLサーバ証明書は年間5万円。プライベート証明書は100枚発行の場合で、1枚当たり年間2500円。プライベート証明書は、100枚程度の小規模な利用であれば他社のサービスに比べて割安だという。クライアント証明書の価格は未定。ほかに顧客企業の認証作業を受託する「認証局ハウジングサービス」やUSBトークン、ICカードにプライベート証明書を格納するサービスなども提供する。

 インテック コミュニケーションズはCISと提携し、顧客のネットワークを監視するサービス「EINS/MSS+」も4月に始める。顧客ネットワークにCISのアプライアンス「Sentry」(セントリー)を設置し、不正アクセスなどのログを収集。集められたログはCIS、インテック コミュニケーションズの「セキュアオペレーションセンタ」に送られて、ソフト、アナリストが分析する。不正アクセスなどネットワークを攻撃する兆候が見つかった場合、顧客ネットワークを遮断して攻撃を未然に防ぐ。専用機器を設置して、ネットワーク内部に脆弱性がないかチェックするサービスも用意する。価格は月額50万円から。

(編集局 垣内郁栄)

[関連リンク]
インテック コミュニケーションズの発表資料(PDF)
RSAセキュリティの発表資料
Counterpane Internet Security

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