i2からパワードコム社長へ、中根氏が「わが命をかける」と決意

2004/4/2

 電力系通信会社のパワードコムは米i2テクノロジーズでCOOを務めた中根滋氏を次期社長に内定する人事を4月1日に発表した。中根氏は4月1日付でパワードコムの顧問に着任。6月の株主総会で取締役に任命された後に社長に就任する予定。中根氏は「海外にいるとむしろ日本のことを熱く思うことがある。これからはネットワークが日本の死活問題になると考えた。私は55歳になったばかり。大げさだかパワードコムにわが命をかけて取り組んでいきたい」と決意を示した。

パワードコム 取締役社長 白石智氏(右)と次期社長に就任予定の中根滋氏

 パワードコムは前身の東京通信ネットワークから現社長の白石智氏まで、筆頭株主の東京電力出身者が社長を務めてきた。これまで東京電力、パワードコムと直接の接点がなかった中根氏が社長に就任するのは異例だ。白石氏は外部から社長を登用する理由について、「外の目でパワードコムの難しいかじ取りをお願いしたほうがいいと判断した」と説明。パワードコムは6月の株主総会で東京電力出身の取締役会長 種市健氏、社長 白石氏、専務取締役の佐藤紀男氏が退任する予定。人事を刷新し、主力のデータ通信事業の拡大を目指す。白石氏は中根氏に期待することとして、「パワードコム本体が取り組むデータ通信、子会社のドリーム・トレイン・インターネットが展開する個人向けISP事業、フュージョン・コミュニケーションズに統合したIP電話事業の3つを有機的に統合する。その総指揮官を中根さんにお願いしたい」と述べた。

 中根氏はパワードコムの経営について「そう簡単にいかないプロジェクトと認識している。一生をかけてやる仕事だ」と不退転の決意を強調。広域イーサネット事業、個人、企業向けの光ファイバ接続事業、フュージョンと展開するIP電話事業に注力する考えを示した。また、「マーケティングが行き届いているのかと思う。アピールするところはたくさんある。宝の山だ」と述べた。

 中根氏は日本IBMを振り出しにSAPジャパン、プライスウォターハウスクーパース、i2と外資を渡り歩いてきた。先日、日本テレコム新社長に就任した倉重英樹氏はIBM時代の上司に当たり「営業を教えてもらった」という。また、プライスウォターハウスクーパース時代には同僚として「将来はネットワークが重要になる」と話をした仲。パワードコム、日本テレコムはデータ通信事業などで競合になるが、「場合によっては提携も考えて、ということになるだろう」と述べた。

 パワードコムは2003年9月中間期で77億円の当期損失を出してあえいでいる。主力のデータ通信は競合が多く、低価格競争が激化している。東京電力を中心にパワードコムに出資する電力各社や、フュージョンのパワーを集結させることができるか。異色人事で就任する中根氏の手腕に注目が集まるだろう。

(編集局 垣内郁栄)

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パワードコムの発表資料

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