「スイッチ選別のポイントはセキュリティ」、ファウンドリー

2004/4/17

米ファウンドリーネットワークス バイス・プレジデント兼サービスプロバイダー/マルチレイヤスイッチング事業部長 チャンドラ・コッパラプ氏

 ファウンドリーネットワークスは、セキュリティ機能を強化した第3世代コンテンツ分析エンジンを搭載したレイヤ4-7スイッチ「ServerIron 450/850」と、ゲートウェイ・スイッチ「ServerIron GTシリーズ」を4月16日に発表した。米ファウンドリーネットワークス バイス・プレジデント兼サービスプロバイダー/マルチレイヤスイッチング事業部長 チャンドラ・コッパラプ(Chandra Kopparapu)氏は「サービスプロバイダはセキュリティ、スケーラビリティ、高可用性の順でスイッチ製品を評価する」と述べ、セキュリティ機能をアピールしてサービスプロバイダ、エンタープライズに拡販する考えを強調した。

 ServerIron 450/850はインターフェース・モジュールを10GbEアップリンクに対応させ、レイヤ4-7に新モジュール、WSMM-IIを装備することで、DDos攻撃に対する防御機能を強化した。現行のServerIron 400/800と比較して2倍に当たる毎秒400万のSYNパケット処理の性能を持つ。コネクションのセットアップからリクエストとレスポンス、クローズまでのトランザクション処理も2倍に向上。シャーシ当たり最大112個のギガビット・ポートを搭載できる。

ファウンドリーネットワークスが発表した新製品。手前から「ServerIron GTシリーズ」「ServerIron 450」「ServerIron 850」

 ServerIron GTシリーズは内部ネットワークに対するファイアウォール機能を搭載する。企業の部門間の通信にセキュリティポリシーを適用することができ、内部ネットワークからのアプリケーション・アクセスをポリシーにしたがって制御できる。また、30種類のDoS攻撃を識別して攻撃をブロック。通信に対して8KBまたは8パケットまでのスキャニングができ、ワームや不正アクセスを監視する。SSLターミネーションとアクセラレーションを統合することで、暗号化された通信に対してもコンテンツの監視をできるようにした。

 チャンドラ氏は、「エンタープライズの利用では、ネットワークの門に入ってくるのが悪人か善人かを見極める必要がある。ファウンドリーでは、TCPレイヤにおけるパケットの挙動とコンテンツのスキャニングで、不審なパケットがサーバやアプリケーションに到達する前に除去できる」と語った。

 ServerIron 450/850は2004年4月に出荷。450は380万円から、850が410万円から。ServerIron GTシリーズは2004年夏に出荷予定で、4つのギガビット・ポートとSSL機能を搭載した製品で240万円からとなっている。

 ワームや個人情報漏えいなどセキュリティ対策に力点を置いたネットワーク機器が多くなってきている。従来はスループットなど機器のパフォーマンスを強調するベンダが多かったが、ファウンドリーをはじめ、シスコシステムズ、エクストリームネットワークスなど柔軟、低コストのセキュリティ性能をアピールするケースが多い。コッパラプ氏が述べたように、セキュリティ対策をスイッチ製品を選別する際に重要視する顧客企業も増えた。今後、各ネットワークベンダはアンチウイルスソフトなどを開発するセキュリティベンダと協力し、製品のセキュリティ機能の向上を進めるだろう。

(編集局 垣内郁栄/富嶋典子)

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