レガシーPCを移行させるMSの「Virtual PC」

2004/4/20

 マイクロソフトは4月19日、Windows 98など旧バージョンのOSをWindows XP Professional、2000 Professional上でエミュレートして稼働させることができる「Microsoft Virtual PC 2004 日本語版」を5月6日に発売すると発表した。米マイクロソフトが米コネクティクスの技術を買収し、独自機能を加えて製品化した。マイクロソフトでは、自社開発アプリケーションの互換性問題などで旧バージョンのOSから最新OSに移行できない顧客企業を対象に、スムーズに最新OSに移行できる点をアピールするとしている。

マイクロソフト ウィンドウズビジネス本部 Windows製品部 クライアントグループ 中井陽子氏

 マイクロソフト ウィンドウズビジネス本部 Windows製品部 クライアントグループ 中井陽子氏によると、自社開発アプリケーションが対応していないために旧OSからXP Proなど最新OSへの移行が難しい、としている企業は60%にも上るという。このようなレガシーアプリケーションを抱える企業は、古い環境のクライアントPCを使い続ける、またはコストをかけてアプリケーションを作り直す、最新OSを搭載したクライアントPCとは別に旧OSを搭載したPCを用意する、などの対策を行っている。いずれにしても古い環境のOSを使い続けることで、サポート切れによるセキュリティの不安や無駄な投資、生産性の低下が生じる、というのがマイクロソフトの考えだ。

 Virtual PC 2004は最新OS上で旧OSを稼働させることが可能。旧OSにだけ対応したアプリケーションをそのまま使い続けることができ、顧客企業は自社の計画に合わせてアプリケーションやシステムを順次アップグレードできる。セキュリティも最新OSに対応するようになり、クライアントPCの安全性を高められる。

Virtual PC 2004の利用画面。XP Pro上でNT、98が稼働する。画面左上のコンソールで各ゲストOSを起動する

 マイクロソフトではアプリケーションの互換性問題のほかに、さまざまなOSでの評価が必要になるヘルプデスクやトレーニング、ソフト開発などでもVirtual PC 2004を利用できるとしている。

 Virtual PC 2004を稼働させられるのはXP Proと2000 Pro。Virtual PC 2004上でエミュレートし稼働させられるゲストOSはNT Workstation 4.0(Service Pack 6以上)、Windows Me、98、98 SE、95、MS-DOS 6.22、IBMのOS/2 Warp Version 4となっている。現行のXP Pro、XP Home、2000 Proもエミュレートできる。マイクロソフトでは正式にサポートしていないが、Linuxも稼働できるようだ。1台のPC上で複数のゲストOSを稼働させることができる。稼働させられるOS数はPCのスペックに依存する。

 推定価格はパッケージ版が1万5800円。ボリュームライセンス版が1万1900円となっている。コネクティクスが販売していたVirtual PCにはゲストOSのライセンスが付属した。だが、Virtual PC 2004ではゲストOSごとに別ライセンスが必要となる。ボリュームライセンスを購入している場合はダウングレード権を使って旧OSをインストールできる。しかし、パッケージでOSを購入したり、OEMでPCに付属したOSを使っている場合は、95を除き、使用許諾契約上、そのOSのCD-ROMを使ってゲストOSをインストールすることはできない。ボリュームライセンスを別に購入する必要がある。

(編集局 垣内郁栄)

[関連リンク]
マイクロソフトの発表資料
Microsoft Virtual PC 2004のページ

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