打倒シスコに燃える中国ネットワークベンダ

2004/4/23

ファーウェイスリーコムの国際マーケティング&セールス部門プレジデント 陳青氏

 中国のファーウェイ・テクノロジーズ(華為技術有限公司)と米スリーコムの合弁会社ファーウェイスリーコムは4月22日、ファーウェイスリーコムジャパンを設立すると発表した。ローエンドからハイエンドまでをカバーするルータやスイッチ製品の国内販売を行う。中国企業の強みとして、生産拠点を中国の杭州に置き、生産コストの大幅な低減を実現することが可能となった。

 新会社は、スリーコムが強みを持つローエンド向け製品とファーウェイ・テクノロジーズが全面的に展開するキャリア向けのハイエンド製品を合わせた幅広いラインアップを誇る。競合企業としてはシスコを想定しているが、同社では「フルレンジの製品展開によって、シスコに対する新たな選択肢をユーザーに提供することができる」(ファーウェイスリーコムの国際マーケティング&セールス部門プレジデント 陳青氏)とする。

 国内の販売パートナーは三菱商事など数社に限定し、通信キャリア、金融業などのエンタープライズ規模の企業をメインのターゲットとする。パートナーを通じてユーザーの認知度を上げながら、ネットワークソリューションベンダとして国内トップ3企業の位置を狙っていく。

 ルータおよびスイッチ製品の国内販売と並行して、25メガのATM網やISDN網など日本独自のネットワーク環境へのカスタマイズ・ビジネスも展開する予定。セキュリティゲートウェイ製品の「SecPath」シリーズは、日本の顧客からの要求を基に開発された製品だという。

 なお、ファーウェイスリーコムは、1500人の従業員のうち、約半数が研究・開発を担当している技術者で占められる。同社はローエンドからハイエンドまでのルータ、スイッチ、セキュリティゲートウェイ、VoIPゲートウェイ、無線LAN製品などをラインアップとして持つ。一部の製品は、親会社であるファーウェイ・テクノロジーズやスリーコムからのOEM供給を受けている。また、同社から親会社に対しても技術供給を行っている。ファーウェイ・テクノロジーズからは、エンジニアリングやマーケティングリソースといったビジネス資産を受け継ぎ、スリーコムからは1億6000万ドルの投資や、国際販売ルートを手に入れた。両社から引き継いだ特許は約4000件にのぼる。

(編集局 岡田大助)

[関連リンク]
ファーウェイスリーコム

[関連記事]
ジュニパーの新エッジ・ルータはCisco定番製品を狙い撃ち (@ITNews)
リバーストーン、「真の10ギガビット」を実現するスイッチ (@ITNews)
シスコがリンクシス買収、コンシューマ市場参入へ (@ITNews)
スリーコム、新コア・スイッチで失地奪還へ (@ITNews)
ファイアウォールを組み込んだ最新型NICで3Comは復活する (@ITNews)

情報をお寄せください:



@ITメールマガジン 新着情報やスタッフのコラムがメールで届きます(無料)