SOA時代に求められるエンジニアの資質とは、BEA

2004/4/27

米BEAシステムズ Vice President of Developer Marketing コーネリウス・ウィリス氏

 米BEAシステムズは5月25日(米国時間)から開催される同社のプライベート・イベント「BEA eWORLD San Francisco」でサービス指向アーキテクチャ(SOA:Service Oriented Architecture)の普及を目指すプログラム“Project Sierra”の詳細を発表する予定である。Project Sierraには、SOAアプリケーション構築を支援する同社の製品戦略やその技術的ガイドライン、「パターンとベストプラクティス」などが含まれる。
 
 2004年のWebアプリケーション開発市場は、J2EE、.NETというプラットフォーム間の技術戦争から、SOA構築用ソフトウェアを核としたビジネス戦略戦争に移行しつつあるといえる。来日した米BEAシステムズ Vice President of Developer Marketing コーネリウス・ウィリス(Cornelius Willis)氏は、「SOAは必ずしも新しい概念ではない。しかし、ネット上での再利用可能なソフトウェアコンポーネントの流通や、インフラストラクチャの進化といった技術的な課題をクリアしてきたことで、今はじめてSOAが現実のものになろうとしている」と話す。
 
 SOAの本格的な登場は、ソフトウェア開発の現場にも大きな影響を及ぼすとBEAでは予測している。
 
 「現在、世界のソフトウェア開発者の中でエンタープライズ規模のシステム開発を担当できる人材は、全体の10%に過ぎない。あとの90%は個々のアプリケーション・レベルでコーディングをするエンジニアに過ぎない」とウィリス氏はいう。SOA時代のエンジニアにとって必須のスキルは、「特定領域のビジネスの知識」(ウィリス氏)であり、自らが携わる開発案件が、ビジネスにどのように影響を及ぼしていくかを把握できる能力だ。

 BEAとしては、WebサービスやXMLおよびその周辺技術にまつわる観点からの議論よりも、SOAが顧客企業のビジネスに与える影響力、あるいは価値について、焦点をあてていきたいようである。開発環境「WebLogic Workshop 8.1」に、ビジネスプロセス管理機能を組み込むなどの機能強化は、このような同社の動きを端的に象徴している。

 BEA eWORLD San Franciscoを機に、BEAの近未来はSOAに収斂(しゅうれん)するだろう。その全貌がProject Sierraに凝縮されているのかもしれない。

(編集局 谷古宇浩司)

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