1つのソケットでItanium2をデュアルに、HP

2004/5/20

 日本ヒューレット・パッカードは1つのItanium2ソケット上に2つのItanium2プロセッサを搭載できる新プロセッサモジュール「HP mx2 デュアルプロセッサモジュール」(mx2)を開発し、新サーバに搭載すると5月19日に発表した。mx2を開発した米HPのフォート コリンズ システムズ&テクノロジラボ R&Dセクション マネージャ トロイ・トーマス(Troy Thomas)氏は「業界標準技術の上に付加価値を置くのがHPの戦略」と述べ、Itaniumを中核にしたエンタープライズ・コンピューティングでRISCプロセッサを中核にする他社と差別化する考えを強調した。

 mx2は2個のItanium2 1.1GHzと32MBのL4キャッシュを1つのドーターカードに搭載した製品。ドーターカードは現行のItanium2プロセッサのソケットとピンが同じで、そのまま置き換えることができる。つまり1つのプロセッサしか搭載できないサーバに対してmx2を使うことで、プロセッサを2つ搭載できるということ。mx2搭載によるハード、ソフトの設定変更は必要ない。同一サーバ上で、単一のItanium2プロセッサとmx2を混在させることもできる。

米HPのフォート コリンズ システムズ&テクノロジラボ R&Dセクション マネージャ トロイ・トーマス氏。手に持つのがItanium2プロセッサを2つ搭載したmx2のドーターカード

 mx2とItanium2 1.5GHzのパフォーマンスはほぼ同等だ。mx2を4個(Itanium2 1.1GHzを8個)搭載したHP Integrityサーバと、Itanium2 1.5GHzを8個搭載したHP IntegrityサーバをHPが比較した結果、パフォーマンスは10%ほどItanium2 1.5GHzを搭載したサーバが上回った程度だった。トーマス氏によると32MBのL4キャッシュがmx2のパフォーマンスを押し上げているという。また、キャッシュをコントロールするmx2の「Sherpa」チップもパフォーマンス向上に寄与。トーマス氏は「Sherpaのおかげでプロセッサを2倍にしても負荷は2倍になっていない」と述べ、Sherpaを開発したHPの技術力をアピールした。

 HPがmx2の投入で訴えたいのはサーバにかかるTCOの削減だ。mx2は1つのソケット上に2つのプロセッサを搭載可能。これまで4個のプロセッサを搭載できたサーバは、mx2を使うことで8個までプロセッサを搭載できることになる。逆にみればプロセッサを8個搭載するのであれば、下部モデルである4個搭載サーバの筐体を使ってmx2を乗せればよいことになる。筐体の価格差の分だけコストを削減できる。HPによるとItanium2プロセッサを8個搭載できる「HP Integrity rx7620」と4個搭載の「rx4640」の筐体の価格差は約2倍。mx2を使ってrx4640にプロセッサを8個搭載すれば大きなコスト削減が可能になるとHPは主張している。

 また、HP Integrityサーバの既存顧客であれば、筐体を買い換えることなくプロセッサ数を従来の2倍まで伸ばすことができ、ハードへの投資を保護できる。HPのサーバ「Superdome」は従来64個のプロセッサを搭載可能だったが、mx2を使うことで128個まで搭載可能になる。

 HPはmx2の発表にあわせて従来のHP Integrityサーバにmx2を搭載した新サーバを発表した。mx2を最大16モジュール(32CPU)搭載できる「rx8620-32」と8モジュール(16CPU)の「rx7620-16」、4モジュール(8CPU)搭載する「rx4640-8」と、64モジュール(128CPU)のSuperdome。rx4640-8にmx2を1モジュール(2CPU)搭載した場合の価格は435万4000円から。対応するOSはHP-UX、WindowsでLinuxはサポートしない。

 日本HP エンタープライズストレージ・サーバ統括本部長 松本芳武氏は、データベースやビジネス・アプリケーションなど基幹系システムの用途で企業に売り込むと説明。特にミッド、ハイレンジで顧客が多いサン・マイクロシステムズからのリプレースに期待していると述べた。

(編集局 垣内郁栄)

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日本ヒューレット・パッカードの発表資料

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