ノベルの「SUSE LINUX」が国内で本格始業

2004/5/28

 ノベルは2004年1月に買収を完了したSUSE LINUXの国内戦略を5月27日に発表した。ノベルの代表取締役社長 吉田仁志氏は「サーバからデスクトップ、アプリケーションまでフルスタックで持つのはノベルだけ。横と縦に深みがある」と戦略の特徴を説明し、Linuxのビジネス分野への展開に自信を見せた。

ノベルの代表取締役社長 吉田仁志氏。「ノベルの過去5年で今日は最大の発表。昨日はワクワクしてよく眠れなかった」

 吉田氏はオープンソースソフトのビジネス展開には「きちんとした会社がバックアップすることが大切」と指摘。国内で24時間365日のサポートプログラムを7月にも開始すると発表した。SUSE LINUXの開発部門に直結した細やかなサポートを日本企業に提供。6月にはLinux事業のパートナー企業向けの新プログラムも開始する。

 NetWareやWindowsなど他システムからLinuxへのマイグレーションも進める。2004年夏をめどにマイグレーション支援のコンサルティングサービスを提供する計画。アプリケーションやプリンタ、ファイルサーバなどユーザーの利用環境を一切変更せずにNetWareからLinuxへOSだけを移行させる。ノベルの全製品のLinux対応も進める。また、NetWareユーザー向けにNetWareとLinuxの両方の環境をサポートし、徐々にLinux環境に移行できるようにする「Open Enterprise Server」も用意する。Windowsシステムのユーザー情報をLinuxシステムと同期し、Linux環境へのマイグレーションを促進する「Novell Nterprise Linux Services」も今後提供する計画だ。

 Linuxの知的所有権に関する訴訟からエンドユーザーを保護する免責補償プログラムも7月に開始予定。ノベルはUNIX関連の知的所有権を保持するため、他社の補償プログラムにはないサポートが可能だという。補償対象はノベルのメンテナンスサービスを購入したエンドユーザー。

 ノベルはLinux OSの新製品「Novell SUSE LINUX」を正式に発表した。カーネル2.4.19ベースで大中規模システム向けの「Novell SUSE LINUX Enterprise Server 8」と小規模システム向けの「Novell SUSE LINUX Standard Server 8」、企業クライアントPC向けの「Novell SUSE LINUX Desktop 1」の3製品と、カーネル2.6ベースでコンシューマ向けクライアントOSの「Novell SUSE LINUX Professional/Personal 9.1 International」。それぞれ6月1日に出荷する。

 Novell SUSE LINUX Enterprise Server 8の特徴は幅広い対応プラットフォーム。X86の32ビットプロセッサのほかに、AMD OpteronやItaniumなどの64ビットのプロセッサ、IBMのPowerPCプロセッサに対応。IBMのメインフレーム「zSeries」でも稼働する。32ビットプロセッサは32個まで、64ビットプロセッサは64個まで搭載できる。

 Novell SUSE LINUX Standard Server 8、Novell SUSE LINUX Desktop 1は2個までのX86 32ビットプロセッサを搭載可能。Novell SUSE LINUX Professional/Personal 9.1 InternationalはAMD Athlon 64やIntel Extended Memory 64 Technologyなど32ビット/64ビットの互換プロセッサに対応する。KDE 3.2.1、GNOME 2.4.2対応。電源管理やCD/DVDの作成などクライアントPC向けの機能を搭載する。

 参考価格はそれぞれ1年間のアップグレード権付きで、Novell SUSE LINUX Enterprise Server 8が11万円から、Novell SUSE LINUX Standard Server 8が4万8000円から、Novell SUSE LINUX Desktop 1が6万1000円(5ユーザーライセンス)から、などとなっている。

 吉田氏はまた、今後の予定として7月にNovell SUSE LINUX Professional 9.1日本語版、8月にカーネル2.6ベースの「Novell SUSE LINUX Enterprise/Standard 9」を出荷する計画を発表した。

 ノベルはNetWareからの移行顧客以外に、United Linuxから移行する顧客を狙う。United Linuxは米SCO、ブラジルのコネクティバ、SUSE、ターボリナックスの4社が組織したエンタープライズ向けLinuxの開発プロジェクトだったが空中分解。United LinuxのベースがSUSE LINUXとなっているため、United Linuxからの移行顧客が見込めるという。吉田氏はターゲットにする業種について、「金融、製造、通信、政府が中心となる」と述べた。

(編集局 垣内郁栄)

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