AsianuxベースのMIRACLE LINUX V3.0、6月末リリース

2004/5/29

 ミラクル・リナックスは5月28日、同社のLinux製品「MIRACLE LINUX」の最新バージョン、V3.0を6月末にリリースすると発表した。同社は日本オラクルの子会社で、Oracle製品用にチューニングを施したエンタープライズ向けLinixを開発しており、昨年から日本オラクルとともにアジア戦略を強化している。MIRACLE LINUX V3.0は同社が中国企業と共同開発したLinux OS、Asianuxがベースとなっている。

 「Linuxディストリビューション勢力図は、欧州がSUSE、米国がRed Hat、そしてアジアはいまだ真空地帯。アジア市場に第3のディストリビューションを投入し、浸透させていくのが『Asianux』だ」(同社 代表取締役社長 佐藤武氏)。

Asianux戦略を発表するミラクル・リナックス マーケティング部長 児玉崇氏

 Asianuxは、ディストリビューション名であると同時に、同社にとってアジア戦略のプロジェクト名でもあるという。同社は2004年1月に、中国の大手Linuxディストリビュータ、レッドフラッグソフトウェア(中国名:北京中科紅旗軟件技術有限公司)とLinux OSの共同開発を発表、北京に開発センターを設けて共同開発を進めていた。同社 マーケティング部長 児玉崇氏は「AsianuxはアジアにおけるLinuxのスタンダードプラットフォームを目指している。エンタープライズに強い日本のMIRACLE LINUXとデスクトップ環境に秀でた中国のRed Flagを融合させ、製品検証、共同サポートを提供する。このプラットフォームを使って、各国はそれぞれのブランド名で製品を販売していく」とAsianux戦略を明らかにした。

 開発対象のLinux OSとしてはAsianuxがあり、日本では「MIRACLE LINUX V3.0」、中国では「Red Flag DC Server 4.1」のブランド名で発売される。今後は韓国、インド、タイなどでもAsianuxベースのLinuxがリリースされるという。「アジア各国では、政府レベルでIT産業育成の機運が高まりつつあり、またWindowsの一極支配を嫌ってオープンソースへ接近する流れができている」(児玉氏)とし、米国主導のグローバルスタンダードからローカルネイティブへの移行を提唱した。

 SUSE LINUXを買収したノベルも日本市場に本格参入し、競争の激化が必至の状況だが、「彼らは日本人の開発部隊を持っていないだろう。品質に対する要求の高い日本の企業ユーザーのニーズに応えられるだろうか」(児玉氏)と強気の態度を見せた。

 会見ではAsianuxの詳細な機能は明らかにされなかったが、2004年6月2〜4日に開催される「LinuxWorld Expo/Tokyo 2004」の基調講演やワークショップで技術的な情報を発表するとした。

(編集局 上島康夫)

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