富士通とサン、サーバを統合して同一ブランドに

2004/6/3

 富士通と米サン・マイクロシステムズは、2006年中ごろまでに富士通のUNIXサーバ「PRIMEPOWER」とサンのUNIXサーバ「Sun Fire」の次世代機となる新サーバ(コードネームAPL:Advanced Product Line)を開発、同一ブランドで販売する。米国でのサンの発表を受け、富士通が緊急記者会見を開き、次世代のUNIXサーバの開発を目的とする両社の提携拡大を発表した。

富士通 代表取締役社長 黒川博昭氏(左)と同社 取締役専務 前山淳次氏

 両社は、次期SPARC/Solarisサーバを共同で開発する。富士通がメインフレームで培ったプロセッサの開発力を、サンがSolaris、J2EE、Javaなどのソフトウェア技術を提供する。製品ブランドは共通化するが、現在のところブランド名は未定で、今後検討していく。2006年に登場する最初の製品の性能について富士通 取締役専務 前山淳次氏は「現在のPRIMEPOWERの2倍ぐらい」を想定していると述べた。当初、プロセッサは90nmプロセスで開発するが、その後60nmプロセスに移行する予定。PRIMEPOWERとSun Fireの製品ラインは、2006年までは現在発表しているロードマップに従って、両社がそれぞれ製品を発表していく。なお、次期UNIXサーバであるAPLは、従来のサーバとバイナリレベルで互換性を保証するため、PRIMEPOWERとSun Fireのどちらの製品ラインからでも移行できるほか、Linuxとの互換性もサポートする。

 富士通 代表取締役社長 黒川博昭氏は今回の提携について「協業して開発することでコストダウンすることができる。相互にとって大きなメリット」と述べ、プロセッサを含めた製品開発におけるコストダウンが提携の大きな目的あることを示唆した。

 製品ラインを統合化するとなれば、製造ラインについてはどうなのか、といった疑問がわく。その点について前山氏は「製造分担に対しては、両社はワールドワイドでビジネスを展開しているので、それぞれが得意とする部分、分野などで分担して製造していく」と話し、製造を分担することはあっても、両社の製造ラインの統合化までは想定していないようだ。また、サンへの出資についても「現時点で計画はしていない」(前山氏)と全面否定した。

 富士通は2005年、基幹系システム向けのIAサーバ「プレアデス」(コードネーム)を投入する予定だ。それらの製品と競合しないのかについては、「当社はメインフレーム、IAサーバ、UNIXサーバの3つのラインにコミットしているが、ユーザーの選択肢が増えることはいいこと」(前山氏)と述べ、ユーザー側のメリットを訴えた。今後数年間のUNIXサーバの動向に関して、フロント部分のUNIXがLinuxなどに置き換わり、台数ベースでは減るものの、金額ベースでは増えるだろうという予測を披露。そうしたすう勢の中でAPLがハイエンドサーバにおける強力な武器になると富士通は見ているようだ。

 サンの業績は低迷が続いている。AMDとの提携、世間を驚かせたマイクロソフトとの提携など、従来の方針転換を図っているが、業績回復の即効薬にはなっていない。そうした状況の中、ほかのUNIXベンダ、IAサーバベンダなどはサンのユーザーをターゲットに、マイグレーション・キャンペーンを行うなど、積極的にサンの市場の切り崩しにかかっている(サンもHPをターゲットにキャンペーンを行っているが、効果はまだ見えてない)。

 富士通とのサーバ統合によってサンは、サーバの開発効率の改善、開発コストの低減などが図れる。それをどうユーザーに還元し、コスト面で他社に対して競争力のあるサーバを提供できるのか。さらに、2006年までの間、どれだけ魅力的な製品を投入できるのか、といったことが重要な鍵の1つとなりそうだ。

(編集局 大内隆良)

[関連リンク]
富士通の発表資料
サン・マイクロシステムズの発表資料

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