病院にパッケージ化の流れ、NECが新電子カルテ製品

2004/6/17

 NECは医療機関向けの電子カルテソリューションの新製品「MegaOak-BS」の販売を開始したと6月16日に発表した。病院の業務フロー改善を提案し、ビジョンに沿ったITシステムをパッケージ形式で構築するのが特徴。NECの医療ソリューション事業部長 河渕博史氏は「パッケージ化によって高品質、短期導入が可能になった。病院に使いこなしてもらいたい」と述べた。

NEC 医療ソリューション事業部長 河渕博史氏

 河渕氏によると病院向けITシステムのコストのうち、60%近くはシステム・インテグレーション(SI)の人件費。MegaOak-BSは中核のソフトをパッケージ化することでSIの人件費を減らし、短期開発を可能にしたという。300床クラスの病院に電子カルテを導入する場合の開発期間は6カ月程度。システムの手組みやカスタム開発を減らしたことでTCOを削減し、従来のシステムでは「1ベッド当たり100万円くらい。300床では3億円がかかっていた」(河渕氏)のに対して、MegaOak-BSでは1億8000万円程度で構築できる。

 医療機関のITシステム導入では、病院にITの専門家がいなかったり、医師や看護士、事務の各部門の調整が困難、投資対効果が計測しにくいなどの課題があった。河渕氏が示した資料によると、国内の病院で電子カルテを導入しているのはわずか3%。400床以上の大規模病院でも7%に過ぎない。その電子カルテ市場で、NECとパートナーのCSIは29%のシェアを占める。競合の富士通も29%でシェアは拮抗(きっこう)している。

 NECは病院に対して業務フローの改善策も含めて提案することで競合他社に差をつける考え。病院が持つビジョンや目的に合った業務フローを提案し、フローに応じたITシステムを開発する。病院のIT導入目的に合ったMegaOak-BSのセット商品も用意し、さまざまな要望に低コストでこたえられるようにする。NECは病院の事務局経験者を営業サポートに採用するなど売り込みを本格化させ、今後3年間に200セットの販売を目指す。

(編集局 垣内郁栄)

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NECの発表資料

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