モバイルを制して次は中小企業へ、アイエニウェア

2004/7/13

 アイエニウェア・ソリューションズはモバイルやワイヤレス、組み込み用途向けのRDBMSの新製品「SQL Anywhere Studio 9 日本語版」のWindowsバージョンの出荷を7月12日に開始した。今バージョンから中小規模企業の市場開拓を強化。米アイエニウェア・ソリューションズ マーケティング部担当 副社長 ブライアン・ビンク(Brian Vink)氏は「中小規模企業の市場は大きい。製品に加えてパートナーとサポートを提供する。勝機はある」と自信を見せた。

米アイエニウェア・ソリューションズ マーケティング部担当 副社長 ブライアン・ビンク氏

 SQL Anywhere Studio 9は「Adaptive Server Anywhere」「Ultra Light」「Mobile Link」の3つのコンポーネントで構成。Adaptive Server Anywhereは中核となるデータベース。新バージョンでは.NET、.NET Compact Frameworkとの親和性が向上し、モバイル向けのアプリケーション開発をより容易にした。XMLデータのEXPORT/IMPORTに対応し、基幹系システムなどとの連携も簡単になったという。

 Ultra LightはWindows CEが稼働するモバイル機器やPOSレジに組み込んで使う軽量データベース。Adaptive Server Anywhereが稼働に4MBのメモリを必要とするのに対して、Ultra Lightは150KBのメモリで動作する。Mobile LinkはAdaptive Server Anywhere、Ultra Lightと、ほかのデータベースを同期させるコンポーネント。同期できるのはOracleやIBM DB2、Microsoft SQL Server、Sybase Adaptive Server Enterpriseなど主要なデータベース。新バージョンではOracleやIBM DB2などからデータを一斉に同期できるようにした。

 SQL Anywhere Studio 9 日本語版の基本パッケージは9万2000円。追加クライアントのライセンスは2万5300円となっている。

 ビンク氏によるとSQL Anywhere Studioはモバイルデータベースの市場で73%のシェアを誇り、競合を圧倒している。そのモバイルデータベース市場で磨いた「SQL Anywhere Studioの使いやすさや初期設定のままで発揮されるパフォーマンス、組み込みの容易さ」(ビンク氏)をアピールし、中小規模企業の市場を開拓する。欧米では「中小規模企業の問題解決ができるとしてSQL Anywhere Studioの認知が広がってきた」という。

 だが、中小規模企業市場はオラクルやIBMなど競合のデータベースベンダも開拓を急いでいる。モバイルデータベース市場での優位を、そのまま中小規模企業の市場に持ち込むことは難しいのではないか。ビンク氏は「パートナーからはオラクル、IBMよりもアイエニウェアの方が仕事がしやすいといわれている。アプリケーション開発のしやすさ、オープン性、プラットフォームへの対応でも競合に対抗できる」と述べ、競合と戦っていけることを強調した。

(編集局 垣内郁栄)

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アイエニウェア・ソリューションズの発表資料

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