法人市場をこじ開けるNTTドコモのIP携帯電話

2004/7/14

 NTTドコモは、FOMAと無線LANを使ったIP電話の両方に対応した企業向けの携帯電話「N900iL」を開発し、2004年秋にも出荷すると7月13日に発表した。これまでPHSで構築されてきた企業の構内システムを置き換える製品。NTTドコモはN900iLを使った構内システムに「PASSAGE DUPLE」(パッセージ・デュプレ)と名付け、構内システムの既存顧客やIP電話を構築している顧客を中心に拡販する。発売後1年で10万台の出荷を見込んでいる。

NTTドコモが開発した「N900iL」。ベースはN900iでiモードやテレビ電話、パケット通信も利用できる

 N900iLはFOMAとIEEE802.11bの無線LANに対応。外出先ではFOMA回線で通話やiモードが利用でき、無線LANが整備された企業内では、無線LAN回線を使ったIP携帯電話として内線通話が通話料なしで利用できる。無線LANアクセス時にはWebブラウジングも利用可能。FOMAと無線LANの両方を通話を待ち受けるデュアルモードもサポートしている。OSにはLinuxを採用した。

 無線LANを使ったIP携帯電話機能は、企業ネットワークに構築されたSIPサーバを使って実現する。発信や着信、保留、転送など内線、外線電話の機能が利用できる。対応しているSIPサーバはNECの「UNIVERGE SV7000」だけだが、NTTドコモではN900iLのVoIP技術に関するインターフェイス仕様を各ネットワーク機器ベンダに公開することで、対応するSIPサーバを増やす考えだ。

 N900iLはコンパクトHTMLに対応したWebブラウザを搭載し、無線LAN経由、iモード経由で企業のWebアプリケーションやグループウェアが利用できる。また、登録したユーザーの現在の状況を確認できるプレゼンス機能や、ユーザー間でメッセージを送受信できるインスタントメッセージ機能がある。外出先、電話中など相手の在席状況を確認してから適切な手段で連絡を取れるなど、企業内のコミュニケーションを効率化する。NTTドコモではN900iLを「情報端末の位置づけが強い」ととらえていて、PHSを使った音声主体の構内システムとの違いを打ち出している。

NTTドコモ 法人営業本部 プロダクトビジネス部長 三木茂氏

 NTTドコモは構内システムの既存顧客やIPセントレックスを導入している顧客を中心に拡販を進める。特にPHSの構内システムは端末数で250〜300万台程度が利用されていてリプレース需要が期待できる。NTTドコモの法人営業本部 プロダクトビジネス部長 三木茂氏は「NTTドコモは今年度、減収減益を見込んでいる」としたうえで「V字回復には法人市場の開拓が重要だ」と強調した。

 N900iLを含めた構内システム、パッセージ・デュプレはNTTドコモの法人営業部隊のほかにパートナー企業も扱う。パートナー企業はN900iLとSIPサーバ、認証サーバ、プレゼンスサーバ、アプリケーションなどを組み合わせてパッケージで販売する。N900iLの製造元でもあるNECは同日、UNIVERGE SV7000と無線LANスイッチ、グループウェアソフトなどを組み合わせた新パッケージ「UNIVERGE FOMA連携ソリューション」を発表した。

(編集局 垣内郁栄)

[関連リンク]
NTTドコモの発表資料
NECの発表資料

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