SOAを広めていくために、はっきりしている「やるべきこと」

2004/7/17

 「SOA(サービス指向アーキテクチャ)は、これから応用の時代だ」と、日本BEAシステムズのロバート・スチーブンソン(Robert Stevenson)代表取締役社長はいう。SOAは、標準技術を用いて企業内や企業間の「サービス」を接続する。いままで企業内のシステム統合を行うには、特定ベンダのERPで統一する、ミドルウェアを利用するなどコストと手間と時間がかかっていたが、SOAを採用することで、異なるベンダ間のシステムでも柔軟かつ短期間に接続可能になる。インターネット標準がSOAの基礎となるため、インターネット経由での企業間取引も柔軟に構築できると期待されている。

「今後はBPMを中心とした企業システムのアーキテクチャの見直しにも注目している」と語る日本BEAシステムズ スチーブンソン社長(右)

 「SOAを広めていくために、やるべきことはハッキリしている」とスチーブンソン氏。「リーダー企業に対して、SOAによる成功例を作ること。それを実行したら、今度はパートナーの力を借りて第2、第3の企業へとそれを広げていくこと」。同社の顧客であるUFJ銀行やKDDIのほか、10社以内の企業に対して、こうしたアプローチを開始しているという。

 SOAのターゲットは大企業ばかりではないという。「インターネットの標準をインフラとすることで、システム統合のコストや期間が縮小された。中堅や中小でもSOAによるシステム統合の機会は広がる」(スチーブンソン氏)。

 同社がSOAに対して強い支持を示しているのは、単にブームに乗っかっているためではないと同氏は説明する。「WebLogic 8.1の強みは、開発環境、運用、ポータル、BPM、EAIなどの機能が1つに統合されたプラットフォームだからだ。このプラットフォームは、そのままSOAの機能につながっていく」と、すでに同社の製品がSOAに即対応可能であることをアピール。「ただし、すべてのSOAをBEAの製品で実現すべきとは思わない」と、あくまでメリットがある部分で同社製品を採用すべきというスタンスを忘れなかった。

(編集局 新野淳一)

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日本BEAシステムズ

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