ネットワーク上の脅威、まとめて面倒みます

2004/7/27

トレンドマイクロ マーケティング統括本部 プロダクトマーケティンググループ 小林伸二氏

 トレンドマイクロは7月26日、企業向け統合セキュリティ製品「ウイルスバスター コーポレートエディション 6.5」を発表した。8月20日に出荷を開始する。初年度の販売目標は120億円。従来のウイルス対策の基本機能に加え、「エンタープライズクライアントファイアウォール」機能を追加、またファイル形式をとらないネットワークウイルスの検出も可能になった。トレンドマイクロ マーケティング統括本部 プロダクトマーケティンググループ 小林伸二氏は「これまでは、脅威の種類は多種多様で、複数のセキュリティ製品を導入する必要があった。しかし、それでもネットワークウイルスにはなかなか対抗できなかった」と企業セキュリティの現状を話す。

 ここでいうウイルス対策の基本機能とは「ウイルス」「ワーム」「トロイの木馬」の3つの脅威に対抗する機能を指す。トレンドマイクロの製品に限らず、多くのウイルス対策製品は、この3つの機能を基本とし、そのほかにオプションとして簡易的なセキュリティ機能を付加したものがほとんどだ。例えば、「スパイウェア」対策には専用ソフトが必要であり、「ハッキング攻撃」「脆弱性の攻撃」にもパーソナル・ファイアウォールの導入が不可欠だ。「ネットワークウイルス」に対抗するにはIDSを設置しなければならない。

 複数の製品が混在することで確かに外部ネットワークからの攻撃によるダメージは減少するかもしれない。しかし、一方で、維持コストは増大する。また、複数のセキュリティポリシーを管理する煩雑さ、実際の攻撃に対する対応の複雑さは、管理者を予想外の状況に追い込むことになる。そして「それでもなお、ネットワークウイルスのような新たな脅威には対抗できない場合が多い」(小林氏)のである。

 「ウイルスバスター コーポレートエディション 6.5」の特徴は、ファイルベース型ウイルスに加え、ネットワークウイルスの監視/駆除が可能になり、スパイウェアやアドウェア、ダイヤラ、パスワードアタック、ジョークプログラム、不正侵入といった脅威にも対応できる機能を搭載した。また、クライアント向けファイアウォール「エンタープライズクライアントファイアウォール」も装備するなど、前バージョンに多くの新機能を搭載したメジャーアップグレード版といえる。5月に発表したシスコシステムズとの提携の成果である「Cisco Network Admission Control」(NAC)にも対応し、ポリシーに準拠していないPCの接続拒否が可能となった。

(編集局 谷古宇浩司)

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トレンドマイクロの発表資料

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