ノベルがSUSEの新版を発表、買収報道には「賑やかしだ」

2004/8/6

 ノベルは企業のワークグループから基幹系システムまで幅広い用途で利用できるLinux OSの新製品「Novell SUSE LINUX Enterprise Server 9」(SLES9)を提供開始すると8月5日に発表した。ノベルのマーケティング本部 本部長 斉藤雅美氏は「ほかのLinuxディストリビュータと差別化できるのは顧客サポート、パートナー支援」と述べ、サービスメニューを充実させることでレッドハットなどの競合ベンダに対抗する考えを示した。

ノベル マーケティング本部 本部長 斉藤雅美氏

 SLES9は最新のカーネル2.6がベース。高度なメモリ管理や無制限のプロセッササポートなどに対応する。IBMと共同開発した「CKRM」(Class-based Kernel Resource Management)を採用し、Linuxサーバに対してプロセッサのリソースをダイナミックに割り当てられるようにした。インテルのハイパースレッディングテクノロジとNUMAにも対応し、基幹系システムでのパフォーマンスや可用性、信頼性を高めた。新たにインテルの32/64ビット互換プロセッサ技術「エクステンデッド・メモリ64テクノロジ」(EM64T)に対応したXeon、Pentium 4プロセッサと、IBMのPower5プロセッサに対応した。市場推定価格はx86用が11万円(16CPUまで)。16CPU以上で利用する場合は8CPUごとに課金する。

 ノベルが顧客企業に強調したいのは豊富なサポートメニューだ。ノベルが展開する「Novell Premium Support」はインシデント数や求めるサービスレベル、サポート受付時間、レスポンスまでの時間などのサポートメニューを、顧客企業の規模やニーズに合わせて自在に組み合わせることが可能。

 ノベルはSUSE LINUXをサポートするハード、ソフトベンダの支援も積極的に行う。パートナーを組織する「Novell PartnerNet」を設立。ノベル製品を販売する「ソリューションパートナー」、ハード、ソフトベンダ向けに開発支援を行う「テクノロジーパートナー」、コンサルティングファームが対象の「コンサルティングパートナー」の各パートナーと連携する。国内で年内に40社、2005年には200社をテクノロジーパートナーにすることを目指す。

 斉藤氏は、UNIXやWindowsからLinuxへのマイグレーションを積極的に進めて「Linux市場全体を拡大させる」と基本方針を説明。「その中でSUSE LINUXのシェアを獲得したい」と述べた。ノベルでは2007年までに国内のLinux市場が120億円規模に成長すると見ていて、ノベルはその半分に当たる60億円程度の市場を押さえることを目指す。

 斉藤氏はまた、米サン・マイクロシステムズがノベルの買収を検討していると米メディアを中心に報じられたことについて「バズワード化され、賑やかしでノベルの名前が出ているというのが私の基本的感想」と述べ、ノベルのLinux戦略が業界で注目されていることの裏返しで買収が取りざたされているとの認識を示した。斉藤氏は「顧客、パートナーからの問い合わせが多く、SUSE LINUXの勢いを感じる」と述べ、Linux戦略への手ごたえを強調した。

(編集局 垣内郁栄)

[関連リンク]
ノベルの発表資料(その1)
ノベルの発表資料(その2)

[関連記事]
仲良しクラブを卒業した大手ベンダ (@ITNews)
ノベルのSOAはビジュアル開発ツールが特徴 (@ITNews)
1200ページの日本語マニュアルが付属するSUSE LINUX (@ITNews)
ノベルに聞く、「Linuxを全社に展開するには?」 (@ITNews)
ノベルの「SUSE LINUX」が国内で本格始業 (@ITNews)

情報をお寄せください:



@ITメールマガジン 新着情報やスタッフのコラムがメールで届きます(無料)