無線LANアクセスポイントを新技術で一元管理、ノーテル

2004/8/7

ノーテルネットワークス ワイヤレスLAN ビジネスリーダーのピーター・セラリウス氏

 ノーテルネットワークスは8月5日、同社の無線LAN製品ラインアップにIEEEで標準化が進む新しい概念「ライトウエイト・アクセスポイント・プロトコル」(LWAPP)を取り込んだと発表した。新製品は「WLAN Security Switch 2270」「WLAN Access Port 2230/2231」「WLAN Management System」の3タイプで、ユーザーはこれらを組み合わせて利用することで、これまで各アクセス・ポイントごとに必要だった設定が、無線LANスイッチで一元管理できるようになり、運用を簡単にし、運用管理コストも削減する。

 ノーテルネットワークス ワイヤレスLAN ビジネスリーダーのピーター・セラリウス(Peter Cellarius)氏は次のように説明した。「音声や映像のデータの企業利用の高まりとともに、無線LAN製品への要求も厳しくなる。新製品は、トラフィック増減に対して柔軟な対応ができる。多数のアクセスポイント間の負荷分散機能を提供し、障害発生時でも無線LANネットワークのパフォーマンスを最適化する。また、遅延を最小限に抑え、トラフィックの優先順位付けが実施できるQoSも搭載している」。

 新製品のキーテクノロジ「ライトウエイト・アクセスポイント・プロトコル」(Lightweight Access Point Protocol)は、IETFで標準化された新技術(IETFのPDF資料)で、周波数帯によって交換する頻度の高いアクセスポイントではなく、中央のスイッチにインテリジェントな機能を持たせて、一元的な無線LANネットワーク管理を可能にするものだ。ノーテルの新製品にLWAPPが実装されたのは、IETFでの標準化活動に参加した米Airespaceとの技術提携で実現した。そのほか、NEC、アルカテルも米Airespaceと提携をしているが、セラリウス氏は、「米Airespaceの技術にノーテルのVoIPやVPN製品のテクノロジを統合することで、他社製品への優位性を創出することができた」とコメントした。北米では、製品発表後の数日間に競合ベンダ製品で無線LANを構築していた企業二十数社が、ノーテルネットワークスの新製品に乗り換えたという。

 無線LANスイッチ「WLAN Security Switch 2270」は323万9000円、IEEE802.1a/b/g、PoE対応アクセスポイント「WLAN Access Port 2230/2231」は10万7000円、ソフトウェア管理製品「WLAN Management System」は、36アクセスポイント対応タイプで89万9000円で8月中旬から出荷する予定。

(編集局 富嶋典子)

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