ジュニパーがSSL-VPNで中小企業を狙う訳

2004/8/25

ジュニパーネットワークス 代表取締役社長 大須賀雅憲氏

 ジュニパーネットワークスと日本ベリサインは8月24日、「SSL-VPNのニュースタンダード」と題するセミナーを開催した。

 米国の調査会社Infonetics Researchによると、リモートアクセスVPN市場で今後大きな伸びを見せるのは小規模企業であるという。リモートアクセスVPNの使用率が2002年には24%であった小規模企業群が2007年には55%に拡大するという調査レポートを発表している。また、中規模企業群の伸びも小さなものではなく、2002年の37%から2007年には74%にまで成長すると同社では予測している。そして、米META Groupでは、2005〜2006年までにSSL-VPNはリモートアクセスユーザーの80%を占める主要な手法になる、とのコメントを発表している。

 ジュニパーネットワークスはこれらの調査結果を引用しながら、日本市場におけるリモートアクセスVPN市場の中小規模企業群にアクセスしようとしている。8月16日に発表した「NetScreen Remote Access(RA) 500シリーズ」は、同社のSSL-VPNアプライアンス製品「NetScreen Secure Access シリーズ」の機能を継承しながら、同時稼働ユーザー数を10/25/50人の少人数に設定できる小規模事業体向けのSSL-VPNアプライアンスである。

 2004年4月に買収が完了したNetScreen Technologiesのセキュリティアプライアンス「NetScreenシリーズ」(IPSec-VPN/SSL-VPN/ファイアウォールといった機能を提供)を製品ラインアップに加え、ジュニパーの存在感は対シスコの筆頭としてますます強まっている。対シスコのアプローチとして同社が力を入れているのがセキュリティという局面からのインフラ構築であり、そのためにも今後さらに成長が見込まれるSSL-VPN市場でトップシェアを維持したいとの思いは強い。同じくInfonetics Researchのデータだが、2004年第1四半期のセキュリティ・ゲートウェイ製品市場(ワールドワイド)において、ジュニパーは45%で1位のシェアを獲得しており、2位のAventailは12%、3位のF5 ネットワークスは11%という参考数値もある。

 また、同セミナーでは、ジュニパーネットワークスと日本ベリサインとの協力体制についてもアピールした。ジュニパーネットワークス 代表取締役社長 大須賀雅憲氏は「SSL-VPNを利用するうえでIDとパスワードだけでは危険すぎる。PKI機能のサポートが絶対に必要だ」と述べた。「NetScreen Remote Access(RA) 500シリーズ」は、PKI機能の強化が特徴の1つで、Multi-CA、CRL、Multi-Server Certなどに対応している。

(編集局 谷古宇浩司)

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