日本IBM営業部門が実践するオンデマンドな働き方

2004/9/10

箱崎事業所14Fにあるパイロット版「オンデマンド・ワークスタイル」のオフィス環境

 日本IBMは9月9日、箱崎事業所の全営業部門約5000人を対象に、同社が「オンデマンド・ワークスタイル」と命名する新たな“働き方”の導入を開始する。本格導入に先駆けて行ったパイロット版(製造業向け営業部門および関連部門約900人が対象)では「顧客訪問時間の4割増」「文書収納量の3分の2削減」「コミュニケーションの活性化」といった成果が得られた。また、パイロット版を体験した約7割の従業員が「時間と場所の自由度が増した」と回答するなど、導入に対して前向きな姿勢をみせた。同社 代表取締役執行役員 大歳卓麻氏は「ライフスタイルの変化とともに、ワークスタイルも変化していかなくてはならない。市場の性質も変化しており、市場全体の傾向と同時に1人1人の『個客』のニーズにも迅速に対応していくことが求められている」と「オンデマンド・ワークスタイル」導入の背景を語った。

 「オンデマンド・ワークスタイル」を実現するオフィス環境は、固定席を撤廃したフリーアドレス空間を基本とする。電源とネットワークを常設した共有スペースがあり、従業員は必要な時に必要な場所で仕事ができる。会議場所として、共用のモニタとプロジェクタを設置した「コラボレーション・スペース」を設け、予約なしに使用可能とした。モバイル環境による電話会議の増加に対応するため、「電話会議専用ブース」も設けた。また、従来から首都圏を中心に5カ所に設置しているサテライト・オフィスには、個人用のワークスペースのほかに、「コラボレーション・スペース」を増設した。

 オフィス環境の整備と同時に、同社のトップ営業員の営業ノウハウをフレームワーク化した「Signature Selling Method」(SSM)を活用するなど、顧客情報やプロジェクトの進捗状況を一元的に管理し、チーム間で共有する仕組みを構築して、「オンデマンド・ワークスタイル」を促進している。ITインフラには、「Lotus Sametime」や「Lotus Notes」といった同社の製品を積極的に利用する。社内ポータルの個人の業務に合わせたパーソナライズ機能の導入も予定している。

 同社にとって「オンデマンド・ワークスタイル」の導入は実は初めてのことではない。「1989年に箱崎事業所を開設した時にフリーアドレスを導入したことがある」と大歳氏はいう。しかし、結果は失敗。対象従業員数の7割程度しか用意していなかったテーブルと椅子を先輩社員が「占拠」してしまい、新人の座る席がなくなってしまった。過去の苦い経験から、同社としては、今回の「オンデマンド・ワークスタイル」の導入を成功させたいところだろう。ITインフラ環境やそのほかオフィスの設備については、米国をはじめとした他国のIBMのオフィスと比較しても「かなり先進的である」(大歳氏)という。

(編集局 谷古宇浩司)

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