商業施設で作業支援、富士通研究所の新型ロボット

2004/9/14

エレベーターへの案内や物品の搬送、夜間の巡回などのサービスを実行する機能を搭載している

 富士通研究所と富士通フロンテックは9月13日、オフィス、商業施設などで、案内や物品搬送などの作業支援を行うサービスロボットを開発したと発表した。愛称はなく、両社は単に「サービスロボット」という名称で呼んでいる。同ロボットは、エレベーターへの案内や物品の搬送、夜間の巡回などのサービスを実行する機能を搭載している。富士通フロンテックが製品化し、2005年6月に販売する予定、目標価格は200万円。

 技術的な特徴は、専用のLSIを開発して組み込んだ3次元視覚処理システムにある。走行中の特徴点抽出とステレオ計測による自己位置同定、障害物計測が可能で、あらかじめデータを入力しておけば、荷物の搬送を行うために台車を押して所定の場所に動くことができる。3次元視覚システムの性能は、インテルのPentium4(2.4GHz)と比較して、消費電力が約3分の1、演算処理能力については3倍程度だという。また、動作についてもできるだけ自然で滑らかな動きが実現できるよう、人間の肩およびひじと同じ構成の4自由度アームを採用、マニュピレータの自然な動作実現のためには、ニューラルネット(CPG/NP法)[]を使った動作生成を適用した。

 外形寸法は、肩幅が644ミリメートル、奥行き566ミリメートル、高さ1300ミリメートル。重量は63キログラム。CPU側のOSはWindows XP embededを採用している。通信機能としてIEEE802.11bの無線LANを搭載、Webサーバも組み込まれており、ロボット用アプリケーションを搭載していないパソコンなどの外部端末を使ってロボットへ指示を出すなどの遠隔操作も可能。基本的なデータの入力デバイスは、胸部に設置された10.5インチTFTタッチパネル付きモニタで行う。3個のマイクおよび1個のスピーカーで音声情報も取得する。ニッケル水素バッテリを本体に内蔵し、無接点送電により、24時間の連続運用が可能。

 経済産業省の次世代ロボットビジョン懇談会によるロボット市場の予測数値は、2025年で7.2兆円だという。富士通研究所 取締役 内山隆氏は、ロボット開発の背景として、「日本の産業立国としての国力建て直し」や「単純労働力不足対策」といった社会的な問題を指摘する。富士通研究所は2001年度に研究用の2足歩行人間型ロボットプラットフォーム「HOAP-1」を開発、その後、改良型として2003年に「HOAP-2」を開発している。2002年には「HARON-1」という家庭内での小型実用ロボットを開発、販売した実績もある。今回の「サービスロボット」は、ネットワーク連携機能を持つオフィスなどでの実作業を行う位置付けである。

[注] (Central Pattern Generetor:CPG/Numerical Perturbation Method:NP法):神経振動子を数学的にモデル化したCentral Pattern Generetor(CPG)を基本構成単位とするニューラルネットワークの構造・結合状態を、数値摂動法(NP法:Numerical Perturbation Method)によって最適化し、ロボットに各種動作を学習させる方法。

(編集局 谷古宇浩司)

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富士通研究所の発表資料

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