サーバ統合時代に生き残るOSは?

2004/9/17

 米IDCのグローバルエンタープライズ サーバーソリューションズ リサーチ ディレクター マシュー・イーストウッド(Matthew Eastwood)氏はIDC Japanが主催した「Japan IT Infrastructure Vision 2004」で講演し、今後のサーバOSの市場シェアについて「WindowsとLinux以外はすべてシェアを低下させるだろう」と述べ、特にLinuxの伸び率の高さを強調した。

米IDCのグローバルエンタープライズ サーバーソリューションズ リサーチ ディレクター マシュー・イーストウッド氏

 イーストウッド氏は今後のOSのシェアについて「Linuxの勢いがここ数年に増して伸びる」と予想。2003年の11.7%の市場シェアを2007年には25%まで伸ばすと説明した。一方でWindowsは「伸びのピークは2006年」となり、出荷自体は増えてもシェアのアップにはそれほど結びつかないとの見方を示した。

 OSのシェアが変動する背景にはサーバ統合という大きな動きがある。現在の企業システムは、さまざまなベンダ、プラットフォームのサーバが混在し、その運用管理コストが問題となっている。イーストウッド氏の説明によると、1996年にはハードの価格と運用管理コストの差は2.5倍以上あったが、ハードの値下がりと運用管理コストの増大でその差は年々縮まっていて、2008年には同額になるという。企業にとってTCOを下げるには運用管理コストの削減が欠かせなくなるのだ。その運用管理コストを下げるための有効な手段がサーバ統合とイーストウッド氏はみている。

 IDCはサーバ統合でOSをマイグレーションする際、どのOSを捨てるのかという調査もしている。調査によると別のOSへのマイグレーションを検討しているのはNetWareのユーザーが最も多かった。次いでUNIX。イーストウッド氏の説明によるとUNIXから別のUNIXへのマイグレーションを検討しているユーザーが多く、2位となったという。社内でSolaris、HP-UX、AIXなどさまざなUNIXが混在するシステムを1つのUNIXに統一することを検討しているユーザーが多いようだ。一方でWindowsやLinuxは別のOSにマイグレーションするというユーザーは少なく、UNIXと同様にサーバ統合の受け皿になるとみられる。

 イーストウッド氏はサーバ統合を検討する際のポイントとして、ブレードサーバなどモジュラー形式のアークテクチャの採用、運用管理の容易さなどが重要になると説明した。

(編集局 垣内郁栄)

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IDC Japan

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