VoIP機器が伸びる理由

2004/10/13

 IDC Japanは2003年の国内エンタープライズ向けVoIP機器の市場が対前年比43.2%増の667億1900万円になったと10月12日に発表した。IDC Japanのコミュニケーションズ リサーチマネージャー 矢入純子氏は「今後は、通信コストの削減ではなく、売上獲得のチャンスを失うことに対する危機感が投資の強い動機となる」と指摘し、VoIP機器の市場が今後も成長するとの予測を示した。

 IDC JapanはVoIP機器の2003年から2008年までの年間平均成長率を12.7%と予測。同市場は2008年に1213億9900万円に成長するとしている。

 2003年のVoIP機器の売り上げベースの製品別構成はIP-PBXが80.3%、VoIPゲートウェイが9.2%、IPフォンが10.5%となっている。IDCでは今後、特にIPフォンの成長が期待できるとしている。

 VoIP機器が高い成長率を示した背景には、IPセントレックスサービスの低調がある。サービス提供をする通信キャリアやプロバイダ側にVoIP機器を設置し、ユーザー企業はネットワーク経由でIP電話サービスを利用するIPセントレックスは、初期投資コストや運用管理の負担の軽さから当初は伸びが期待された。しかし、IDCでは「期待どおりに伸張しなかった」と指摘。矢入氏は「通信キャリアは他社との競争を意識し、IPセントレックスを用意したが、場合によってはIPセントレックスは既存のサービスと比較して収益減の要因となる。そのためIPセントレックスはサービスとして明確に打ち出されてこなかった」と説明した。

 一方で、通信キャリアやプロバイダはVoIPゲートウェイの販売に注力。企業側も「自社のインフラを使えて、今後3〜4年は利用できるVoIPゲートウェイを考えた企業が多い」(矢入氏)という。

 矢入氏は今後のVoIP機器市場について「アプリケーション連携やモバイルセントレックスなど、他方面からの参入が起きている。VoIP機器、携帯電話、無線LAN機器などのベンダやソフトウェアベンダ、および通信事業者は、相互協力体制の確立が生き残りの重要な課題となるであろう」としている。

(編集局 垣内郁栄)

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IDC Japan

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