IBMが断言、「Notes/Dominoはまだまだ発展する」

2004/10/19

 2004年はLotus Notesが開発されて15周年にあたるという。「Notesはこの先、IBMの別の製品に徐々に吸収されたり置き換わって、いずれなくなるのではないか」といった憶測が、あるときは競合ベンダから、あるときはユーザーの心配としてささやかれている。10月18日に六本木ヒルズで開催された「Lotus Day 2004」の基調講演で、IBMはこうした声に対して明快に応えた。

日本IBM ソフトウェア事業 ロータス事業部 事業部長 澤田千尋氏

 基調講演でIBMが伝えようとしたメッセージはただ1つ。「Notes/Dominoは今後も発展していく」ということだ。日本IBM ソフトウェア事業 ロータス事業部 事業部長 澤田千尋氏は、「2005年4月にはNotes/Domino7.0を、そして2006年第1半期には7.5を、2007年第1四半期には8.0をリリース予定で、ここまでのロードマップがきちんとできている」と、今後もNotes/Dominoはメジャーバージョンアップしていくことを壇上から訴えた。

 今後のメジャーバージョンアップにおける目玉の1つが、「IBM Workplace Client Technology」(以下WCT)だ。サーバから必要な機能を備えたコンポーネントをクライアントに配布することで、クライアントアプリケーションの高機能と、Webアプリケーションの配布の容易さを兼ね備える。Notes/Domino7.0から組み入れられる機能だ。クライアントのベースとしてEclipseが用いられる。

米IBMのNotes/Domino開発責任者 ケビン・キャバナー氏

 米IBMのNotes/Domino開発責任者であるケビン・キャバナー(Kevin Cavanaugh)氏は、NotesクライアントとWCTの位置づけを説明した。「WCTがNotesを置き換えていくとの誤解があるが、そのような意図は一切ない。かつてNotes/Dominoがインターネット機能を取り込んでいったように、今回はNotes/DominoにEclipseやJ2EEの機能を取り込んでいくことが狙いだ」とし、既存のNotes/Dominoのラインがそのまま発展していくことを強調した。

 IBMがこれほどNotes/Dominoの発展を強調するのは、最近、競合ベンダが「Notes/Dominoの製品ラインはいずれなくなっていく」と宣伝しているからだ。「NotesクライアントはWCTに、DominoはWebSphereやDB2に吸収されます。他社製品に乗り換えるなら今ですよ」というのが、競合ベンダの言い分だ。IBMは将来のロードマップを示すことで、これを明確に否定した。

 あるIBM関係者は会場で「これからこのメッセージを持って、全国行脚をしていく。まだいい足りないくらいだ」と、顧客の不安を払拭することに意欲を燃やす。

(編集局 新野淳一)

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