VMwareが仮想PCの新ソフト、Linux対応は「計画中」

2004/11/10

米VMwareのCTO エドワード・ブニョン氏

 米VMwareの日本法人ヴイエムウェアはクライアントPC上で仮想PCを稼働させるための新ソフトウェア「VMware ACE 日本語版」を12月中に発売すると11月9日に発表した。遠隔地から本社のサーバにアクセスする社員や開発パートナー、派遣社員の増加などさまざまなワークスタイルに対応したセキュアなクライアントPC環境を構築できるのが特徴。米VMwareのCTO エドワード・ブニョン(Edouard Bugnion)氏は「VMware ACEを使うことで企業はデスクトップ環境を効率化できる」と述べた。

 VMware ACEは「VMware ACE Manager」と「VMware ACE Client」で構成。クライアントPC上でVMware ACE Clientを起動すると、デスクトップにウィンドウが開き、その中で仮想PCが稼働する。ManagerはクライアントPC上で稼働させたいOSやアプリケーション、データなどをパッケージしてCD-ROMやDVD-ROMを作成するソフトウェア。パッケージする際にデータの暗号化やデータ移動の制御、ネットワークアクセスの制限、起動するアプリケーションなど仮想PCのポリシーを設定する。CD-ROM、DVD-ROMを作成する代わりに仮想PCのイメージを作成し、ネットワーク上のファイルサーバに保存することもできる。

「VMware ACE Manager」(英語版)のポリシー設定画面(クリックで拡大します)

 ヴイエムウェアにはクライアントPC上でさまざまなOSを稼働させる「VMware Workstation」もある。VMware ACEとWorkstationの違いは、VMware ACEがさまざまなポリシーを設定できる点。ヴイエムウェアではポリシーを設定して仮想PCの利用に制限をかけることで、個人利用しているPCや、外出先からアクセスするモバイルPC、外部のパートナーが利用するPCなどからでも企業のサーバに安全にアクセスさせられるとアピールしている。Active Directoryと連携し、ユーザー認証することも可能。

 仮想化エンジンはWorkstation 4.5.2がベース。現在ベータ版で2005年にも製品版がリリースされるとみられる「Workstation 」5の機能も一部採用されている。最初のバージョンでサポートされるホストOSはWindows Server 2003/2000/XPのみだが、Linuxのサポートも計画している。仮想PC上で稼働するゲストOSはWindows、Linuxなどに対応。ヴイエムウェアはVMware ACE ManagerとVMware ACE Clientのライセンスをパッケージにして販売する見通し。オープン価格。

(編集局 垣内郁栄)

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ヴイエムウェア

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