どこにもなかったXML技術をジャストシステムが発表

2004/11/18

 ジャストシステムは11月17日、XHTMLやSVGなど複数の種類のXML文書を、1つの画面上でワードプロセッサで操作するようにオーサリングできるソフトウェアアーキテクチャ「xfy Technology」(エクスファイテクノロジ)を、米国で開催中のイベント「XML Conference & Exposition 2004」で発表した。

「xfy Technology」の画面から、XHML、MathML、SVGの3種類のXML文書がシームレスに編集可能になっている(クリックで拡大します)

 @ITが今回の発表前に見たxfy Technologyのデモンストレーションでは、XHTMLでレイアウトされた文書の中に、MathMLで書かれた数式や、SVGで書かれた図形などを自由に配置できる様子が紹介された。画面を一見すると、まるでワードプロセッサを操作しているように見える。

 いままでHTMLやMathMLなど、個別のXML文書にそれぞれ対応するオーサリングツールはあったが、1つの画面内で複数のボキャブラリからなるXML文書をシームレスにオーサリングできる技術はこれまでなかった。また、xfy Technologyはプラグイン構造を備えており、新たなXMLボキャブラリに対しては、プラグインを作成することで容易に対応できる。xfyのテクノロジプレビュー版が専用サイトからダウンロード可能だ。

 いままでXML文書はBtoBなどサーバ間でのデータ交換での利用が先行していたが、ユーザーのデスクトップ上でのXML文書のオーサリングが柔軟にできることで、「XMLデータの利用範囲がエンドユーザーにまで拡大する」(代表取締役専務 浮川初子氏)。これまでにない新しいXML文書の利用法が登場することを同社は期待している。

 同社は過去に、文書フォーマットにXHTMLを採用し、Javaで開発したワードプロセッサ「一太郎Ark」などを発表してきており、「社内にXMLの技術は以前から蓄積されていた」(代表取締役社長 浮川和宣氏)ことが今回の発表につながったという。今回のジャストシステムの発表は、あくまでもテクノロジプレビューとして行われたものであり、この技術をベースとした商品化については、「すでに検討は進んでいる」(浮川和宣氏)としながらも、まだ未定だという。

(編集局 新野淳一)

[関連リンク]
ジャストシステムの発表資料
xfy Technology専用サイト

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