無償になるSolaris 10の未来は開けるか?

2004/12/1

 サン・マイクロシステムズは11月30日、SPARC、x86、AMD64、EM64Tなどに対応した最新OS「Solaris 10 OS」(以下Solaris 10)を発表した。同社が目指すユーティリティコンピューティングを視野に、「業界をリセットし、新しい標準を作るOS」(同社専務取締役 営業統括本部長 末次朝彦氏)という自信作だ。

代表取締役社長 ダン・ミラー氏「Solarisの知的所有権は100%リーガルだ」

 ここ数年のLinuxブームと、IAサーバの性能向上に押されて、同社の主力商品であるSPARC/Solarisの組み合わせは、存在感や将来性に疑問符が突きつけられていた。同社はSolaris 10でx86マシンにも積極的に対応するとともに、商業利用でも個人利用でも料金がかからない「使用権無料」を打ち出し、劣勢を一気にばん回する構えだ。普及を加速するために、Solaris 10のオープンソース化も検討しているという。

 同社代表取締役社長のダン・ミラー氏は、「Solarisの知的所有権は100%リーガルで、顧客はトラブルから守られている」として、Linuxで起きているような知的所有権のトラブルはSolarisには存在しないことを強調した。

 Solaris 10は、2005年1月31日にリリースされ、同社のWebサイトからマルチリンガル版のダウンロードが開始の予定。CD-ROM形式での有償販売は2005年2月の予定だ。

 無償で使用できるのは、4CPU以下のマシンで使う場合(5CPU以上の扱いは未定)。商用でも開発でも研究でも、目的は問わない。セキュリティ問題の修正サービスも無償で提供される。

 Solaris 10の主な新機能は下記のとおり。

バイナリ互換で性能向上
Solaris 9と比較して特にネットワークとJavaのパフォーマンスを向上させた。アプリケーションはそのままで、OSを新しくするだけで性能が向上する。また、運用中にOSのボトルネックを調査するツール「DTrace」で、これまでよりもチューニングの時間が大幅に短縮される

Trusted Solarisの機能追加
従来、セキュリティを大幅に向上させたOSとして別の製品になっていた「Trusted Solaris」の機能を、Solaris 10に一部追加されている。「完全に取り入れてしまうと互換性がなくなってしまう」(纐纈氏)。例えば、特権モードで動くプロセスでも、権限を制御できる。これで特権ユーザー(スーパーユーザー)があらゆる権限を持つ、といったことを制限できるようになる。

Linux標準対応
Linux Standard Baseに準拠し、Solaris 10上でLinuxアプリケーションを稼働できる。「エミュレーションではなく、Linuxのシステムコールをそのまま受けられる」(纐纈氏)。同社では、RedHat Linux Enterprise対応のLinuxアプリケーションが、何も手を加えずにそのまま動く、といったことを想定している。

Solarisコンテナ
稼働中のOS上で、コンテナと呼ばれる複数の独立したパーティション(論理空間)を作成でき、見かけ上1つのマシン上で同時にいくつものSolaris 10が稼働しているように見え、それぞれのパーティションは完全に独立しており、特定のパーティションだけ再起動といったことが可能。従来もSun Fireハードウェア上のSolarisなどでパーティション機能が実現されていたが、これまではハードウェアの機能に依存していた。Solaris 10ではソフトウェアのみの機能でパーティションが実現されている。

Solaris ZFS(Zetta byte File System)
128bitファイルシステム。データが破損する可能性は理論上99.99999999999999999%(9が19個)ないという。データの自己修復、高速なデータアクセス、大容量データに対応した。

(編集局 新野淳一)

[関連リンク]
サン・マイクロシステムズ
Solaris 10 Developer Meeting for x86 Solution

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