ゲートウェイブランド、日本再上陸

2004/12/3

 米ゲートウェイは12月2日、日本市場に再参入を果たすと発表した。2001年の撤退以来3年目の捲土重来(けんどちょうらい)となるか。非上場企業米eMachinesを成長企業に押し上げた社長兼CEOのウェイン・イノウエ(Wayne Inouye)氏の手腕が問われるところだが、「(ゲートウェイは)デルやHPと比較して、企業規模は格段に小さい。小さい規模に合わせたビジネスを展開していく」とまずは謙虚な姿勢を示し、はっぱをかけるような記者の質問を巧みにかわした。

米ゲートウェイ社長兼CEOのウェイン・イノウエ氏

 日本市場に投入する製品は、イーマシーンズ・ブランドのデスクトップPCとゲートウェイ・ブランドのデスクトップPC、ノートPCである。イノウエ氏によると、イーマシーンズ・ブランドは機能を徹底的に絞り込んだ低価格モデルであり、従来のイーマシーンズの製品を継承するブランドラインである。一方、ゲートウェイ・ブランドは、高性能モデルとしてあらゆるニーズに応えられるモデルをそろえる予定。日本国内では、石丸電気と上新電機、九十九電気、ノジマの全国約200店舗で販売する。これらの販売チャネルはイーマシーンズの販売チャネルと重なるもので、まずはなじみの販売チャネルで成功を収めてから販売網の拡大を狙う見込みである。

 旧ゲートウェイと新ゲートウェイはどこが違うのか。イノウエ氏はこの質問に困ったような笑みを浮かべた。経営陣のプロフィールを見てもわかるように、新ゲートウェイの経営陣はイーマシーンズの幹部で占められている。ゲートウェイとイーマシーンズの合併は、表面上ゲートウェイがイーマシーンズを買収する形だったが、ゲートウェイはそのブランド(とPCの生産ノウハウ)などの“身体”を残したのみで、その“頭脳”はイーマシーンズに入れ替わったとみるのが適切かもしれない。

 国内においては、コンシューマ市場の販売に特化し、旧ゲートウェイの大きな特徴だったネット通販を行うことについては「いまのところ考えていない」(イノウエ氏)。記者会見ではデル、HPとの相違点を尋ねる質問が相次いだが、新ゲートウェイの販売方法やターゲット層を考えると、HP、デルなどと並置して考えるのは誤りだろう。

(編集局 谷古宇浩司)

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