自治体はLinuxがお好き? ガートナー調査

2005/1/7

 「日本の自治体におけるLinuxサーバの利用率が50%を超えた」。民間調査会社ガートナー ジャパンが1月6日に発表した「自治体におけるLinuxサーバの利用状況調査」の結果だ。調査は、2004年9月初旬から10月末にかけて新電子自治体共同研究会が実施。1715の自治体から回答を得たという。

 調査によると日本の自治体におけるLinuxサーバの利用率は53.0%で、2003年の34.8%と比較して大幅に増加したことが明らかになった。これは、Linuxサーバに対して「興味はある」と回答した自治体が、2003年の31.9%から2004年の23.5%と減少している点や、「1年以内に新規導入予定」と回答した自治体が5.5%から0.8%に減少していることから、「2003年時点で興味や新規導入の意思を示していた自治体が、2004年になって実際に導入した」と推測される。また、2003年の調査時に「関心がない」や「Linuxを知らない」と回答していたユーザーも、2004年調査ではそれぞれ1.5%程度減少している。

 一方で、自治体内で実際に稼働しているサーバの調査では、Windowsサーバの74.0%に対してLinuxサーバは11.4%となっており、稼働しているサーバ数ではWindowsサーバに軍配が上がった。ただし、Windowsサーバが2003年の75.7%から2004年の74.0%に落ちているのに対して、Linuxサーバが2003年の6.1%から2004年の11.4%に上昇していることから、稼働中サーバにおいてもWindowsからLinuxへのリプレースが起きていると考えられる。

 ガートナー ジャパンでは、2004年10月時点における民間企業の場合、Linuxの利用率が4割弱、稼働台数比率が5%程度であることから、「自治体のLinuxサーバ浸透率が、民間企業よりいかに高いかが分かる」と分析している。また、Linuxサーバ利用率の増加要因として、2003年度中(2004年3月末)の接続が義務付けられていたLGWAN(Local Government Wide Area Network)への接続率が、2003年調査の30%未満から2004年には約94%まで上昇している点を挙げた。

 これらのことからガートナー ジャパンでは、「2005年以降は、2004年の調査において『1年以内の新規導入予定』の割合が0.8%であるほか、LGWANの接続もほぼ完了していることから、2004年と同じような劇的な増加はない」と予測した。

(編集局 大津心)

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ガートナー ジャパンの発表資料(PDF)

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