64ビット化と仮想化でエンタープライズ市場を制す、HP

2005/1/12

日本HP 代表取締役社長兼CEO 樋口泰行氏

 日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は1月11日、エンタープライズ向けサーバ・ストレージ事業の2005年度の戦略を発表した。国内のエンタープライズ市場における最大のライバル日本IBM打倒を想定した重点施策を実施する予定。ポイントは「64ビット・コンピューティング環境の普及強化」「仮想化技術の技術革新」の2点に集約できる。

 2005年はx86サーバの64ビット化が加速するだろう。2004年を通じてIT業界では64ビット化の啓蒙情報を積極的に提供してきた。2005年にはマイクロソフトの64ビット対応OSも登場する。つまり、2005年はエンタープライズ市場における64ビット化ビジネスの実質的なスタートの年になる。

 日本HPはすでに「HP Proliant」「HP BladeSystem」「HP Integrity」「HP NonStop」のそれぞれのサーバ・ブランドで業界標準ベースの64ビット化を実現している。これらの広範な製品群をエコシステムとして体系化し、顧客に対して提案していく体制を強化する。国内4社の大手ITベンダ(NEC、沖電気、日立製作所など)に先ごろ東芝ソリューションが加わり、RISCサーバおよびメインフレームのリプレース提案を中心に64ビットコンピューティング環境の普及を行っていく予定だ。

 プラットフォームの64ビット化と並行して、仮想化技術に関する優位性も積極的にアピールしていく。エンタープライズ規模のサーバ環境において、複数のOSが混在するのは避けられない状況であり、その際、仮想化技術はシステム統合の鍵になる。日本HPエンタープライズストレージ・サーバ統括本部長 松本芳武氏によると2005年後半には「リソース管理の自動化、高度に統合されたマルチOS仮想化環境が実現する」という。これらの仮想化技術は特にItaniumサーバ上での大規模システムで利用されることを想定している。

(@IT 谷古宇浩司)

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