IT業界、今年は人材育成がクローズアップされる?

2005/1/21

 富士通ラーニングメディアは1月20日、記者懇話会を開催し、2005年度の同社の教育・研修事業の方向性などを説明した。

富士通ラーニングメディア 代表取締役社長 岡田恭彦氏

 現在の教育・研修事業に関して、富士通ラーニングメディア 代表取締役社長 岡田恭彦氏は「ネットバブル崩壊後、売上高は横ばいか微減が続いている」と厳しい状況を説明したが、2005年度は「売り上げはプラスに伸ばしたい」と抱負を語った。その理由として「企業のリストラも2004年ぐらいまでで落ち着き、これからは“削る”から“つくる”へと変化し、(各企業が)人材をどうそろえるかがそのまま企業の競争力となる」と指摘し、今後は人材育成がクローズアップされると語った。

 それを実現するうえで岡田氏が明らかにしたのが4つの重点施策だ。

 1つ目は、1月17日に発表した組み込み系ソフトウェア技術者育成コースの提供だ。岡田氏は「日本ではモノづくりへの回帰が起きている」と述べ、この分野に期待を表明する。この分野はデジタル家電など、急速な需要の伸びに人材育成が間に合っておらず、「特にこれから組み込み系の開発を行う人材(例えば新人)などの教育」(富士通ラーニングメディア 研修事業部長 羽賀孝夫氏)からスタートしたいという。さらにソフトウェアの受託開発をメインに行っている会社の中には、事業を組み込み系にシフトさせようと考えている企業もあり、そうしたエンジニアのスキル転換なども手がけていきたいという。

 2つ目は、ITスキル標準(ITSS)対応サービスの充実。同社は記者懇話会と同時に、ITスキル標準に対応した同社のITスキル診断サービス「SkillCompas/ITpro ITスキル標準版」の対応職種を、10職種17専門分野に6分野追加し、10職種23専門分野に広げたことを発表した。

 3つ目は情報セキュリティ、個人情報保護に関する教育、研修コースなどの充実だ。「個人情報保護法」(個人情報の保護に関する法律)の今年4月の完全実施をにらみ、情報セキュリティ、個人情報保護に関連した教育、研修の需要が増大すると見る。

 そして4つ目は、富士通グループの経験、ノウハウを取り入れた教育、研修の拡充だ。富士通グループ内での人事交流を利用し、グループ会社の元システムエンジニアの講師が、事例に基づいたプロジェクトマネジメントの教育、研修を行う。そのほか、ヒューマンスキルやビジネススキルといったコースなどにも力を入れていくという。

 米国では、従業員に対する社内研修、教育の充実が離職率を低くし、やる気や人材の質を高め、企業の競争力を高めると考える企業や経営者が多い(例えば、「中国でも人気、日本のORACLE MASTER」[@ITNews])。日本でも各企業にそうした考えが浸透するか、またはそうした考え方を普及させられるかが同社にとって大きなポイントになりそうだ。

(@IT 大内隆良)

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