ファッションの流行に付いていくためのERPとは?

2005/1/22

 インテンシア ジャパンは1月21日、ファッション業界向けERP製品「Movex Fashion」の説明会を開催した。インテンシアはスウェーデンに本社を持つERPベンダ。ERPパッケージ「Movex」シリーズをファッションや流通、食料/飲料、航空などの各業界向けに特化させてアプローチしている点が強みだ。

インテンシア ジャパン ソリューションマネージメント部長 浅香 亮一氏
 インテンシアは1998年に「100% Pure Java対応」を宣言し、それ以降Javaに対応したMovex V.11を発表している。現在の最新バージョンはV.12。同社は、Movexの中でもファッションやEAM(Enterprise Asset Management)、食料/飲料の3分野に特に力を入れており、インダストリーセンターと呼ばれるコミュニティを形成して各業界特有のニーズを吸収し、製品に反映させているという。Movex Fashionは現在国内で12社の導入実績があり、米国ではGucci AmericaやPolo Ralph Laurenなどの大手企業も導入しているという。

 インテンシア ジャパン ソリューションマネージメント部長 浅香 亮一氏は、「ファッション業界は、シーズン初めに在庫を多めにしてシーズン終了に比例して在庫を減らしていったり、トレンドに応じて受注を柔軟に変化させる必要があるなど、一般企業がERPに求めるものとは大きく異なっている」と説明する。このことから、Movex Fashionでは、ファッション業界のニーズを多く盛り込んだ。また、「月締め請求処理」や「手形管理」など、日本独自の商習慣に合わせるため、独自に開発を行って対応している。

 在庫管理に関しては、流行に素早く対応するために、事業部単位から倉庫単位、店舗単位、棚単位に至るまでほぼリアルタイムで把握可能だという。さらに、型番に「サイズ」「カラー」「素材」を組み合わせて管理するファッション業界特有の管理手法や、製造オーダーのステータス管理として「出庫済は99」「着手不可は20」など、細かい点にまで対応しているという。そのほか、既存のPOSシステムとの連携を重視し、売り上げ情報取り込み機能や在庫情報の受け渡しなども搭載した。

 浅香氏は、「売れ筋や死に筋の判断が日々可能となっており、店舗/倉庫間移動など次のアクションを迅速にとれる点や、社内外のサプライチェーン全体の在庫や物流をリアルタイムに把握し、機会ロスの削減や適正在庫の保持により利益拡大が狙える」点が最大の特徴であると説明した。

(@IT 大津心)

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インテンシア ジャパン「Movex Fashion」

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