サンは世界一の太っ腹? Solaris 10をオープンソース化

2005/1/27

 サン・マイクロシステムズは1月25日、新OS「Solaris 10」のソースコードをオープンソース推進団体「OSI」(Open Source Initiative)が認定したライセンス方式「CDDL」(Common Development and Distribution License)に基づいて、2005年第2四半期に無償で提供開始すると発表した。オープンソース化されたSolarisは「OpenSolaris」という名称になり、製品化されている「Solaris 10」との差別化が図られる。

 オープンソース化にあわせて、OpenSolarisの技術とコミュニティを支援する委員会「コミュニティ・アドバイザリー・ボード」が設立され、コミュニティサイト「opensolaris.org」も開設された。サンはライセンス提供の第1弾として、パフォーマンス解析/チューニングツール「ダイナミックトレーシング」(DTrace)技術のソースコードを公開し、すでにopensolaris.orgからダウンロード可能にしている。

 コミュニティ・アドバイザリー・ボードの委員は、OpenSolarisパイロットコミュニティから2人、サンの社員から2人、オープンソースコミュニティのメンバー1人の計5人で構成。3月までに形を整え、コミュニティのニーズに応じてさまざまな活動を行うとしている。

 ソースコードは、1月14日に承認されたばかりのCDDLに基づいて配布する。CDDLは、Mozilla Public License(MPL)をベースにした、サン独自のライセンス方式。ソースコードの閲覧、変更、配布を認めるものの、修正した場合にはオープンソースとして共有することを要求する点が特徴だ。サンの日本法人は、「オープンソースとしての自由さを手に入れられるとともに法的保護も各国の法律に応じて強化されているため、オープンソースの利用や開発に伴う法的リスクも軽減できるライセンス形式だ」と説明した。

 また、オープンソース化に伴い同社では、1600件以上の特許を提供するという。最近では、IBMが500件以上の特許をオープンソースコミュニティに公開したが、これを大幅に上回る数であり、同社では「単一製品の許諾としては特許史上最大である」とコメントしている。

(@IT 大津心)

[関連リンク]
サン・マイクロシステムズの発表資料

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