誤検知0%? ミラポイントのスパム対策新技術

2005/2/1

 ミラポイント ジャパンは1月31日、新しいスパムメール対策技術「Mirapoint Rapid Anti-Spam」を2月中旬より提供を開始すると発表した。従来のスパム対策製品に多く採用されているコンテンツフィルタリング方式によるスパム対策ではなく、“送信のパターン”を分析し、“スパムらしさ”を測定するのが特徴だ。

ミラポイント ジャパン 代表取締役社長
湯佐 嘉人氏

 Rapid Anti-Spamは、2月中旬から提供予定のセキュリティアプライアンス「RazorGate」やメールサーバ「Message Server」に搭載予定。これらの製品では、メールが外部から来た場合、「SMTPレイヤプロテクション」「Anti-Virus」「Anti-Spam」「コンテンツフィルタ(削除や振り分け)」の順で処理する。ここでいう「コンテンツフィルタ」とは、分析後のメールを削除したり、スパムフォルダに振り分けたりすることを指す。

 SMTPレイヤプロテクションでは、初めてのメール送信者に対してはビジーを返信し、きちんと返信があった場合のみ、受信メールを受け付けるというもの。1度目に受信した際にメールアドレスやIPアドレスを保存しておき、再受信した際に1度目の内容と一致しない場合には破棄やスパムメールフォルダへ振り分ける。同社は、「通常のスパムメール送信者は送信サーバに再送機能を持たせないため、大半のスパムメールはこの段階で拒否することができる」と説明している。

 ウイルス対策機能には、ソフォスのウイルス対策製品を搭載した。スパム対策技術では、新技術「Mirapoint Rapid Anti-Spam」を採用している。Rapid Anti-Spamは、受信したメールをハッシュし、そのデータを米コムタッチの「ディテクションセンタ」に送信。同センタで“スパムらしさ”を判定し、その結果に応じて何もしない/破棄するなどの対応を行うというものだ。

 ディテクションセンタでは、世界各国から送られてくるスパムメールのデータをデータベース化し、リアルタイムで配信している。登録してあるスパムメールのパターンは常時600万以上だという。具体的には、スパムメール送信者がメールを繰り返し送信するパターンを分析している。分析結果は、スパムらしさに応じて0〜300までの数値で表される。この結果に応じてサーバ側は、転送/破棄/振り分けなどさまざまな対応が可能だ。同社では、参考資料として「Rapid Anti-Spamのスパム検知率は97.0%に上り、誤検知率も0%」というIDCの調査結果を示した。

 Rapid Anti-Spamのメリットは、従来のコンテンツフィルタリングをメインとしたスパム対策製品と異なり、スパムメールの配信パターンを元にしているため、言語やコンテンツに依存しない点だ。ミラポイント ジャパンの代表取締役社長 湯佐 嘉人氏は、「スパム対策製品の多くは米国産であるため、日本語や中国語などの2バイトに弱かった。しかし、Rapid Anti-Spamでは2バイトでも関係ない。また、サーバ側でDBを持たず、解析も行わないため、負荷を軽減できている」と自信を見せた。一方で、メール受信のたびにディテクションセンタと通信するため、通信環境が途切れた場合などはスパム判定が難しい点が欠点として挙げられる。

 湯佐氏は、「調査によると、スパム対策製品は2007年までに8割がアプライアンス製品になるという。このような背景もあって、今後も当社はスパム対策をアプライアンスとして提供したい」と抱負を語った。

(@IT 大津心)

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ミラポイント ジャパン

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