戦略倒れの企業を救うパフォーマンス管理、SASが新製品

2005/2/4

 SAS Institute JapanはCEOやCFOの分析や意思決定を支援するパフォーマンス管理ソフトウェア「SAS Financial Intelligence」の製品群で、新たに「SAS Strategic Performance Management 2.0」「SAS Activity Based Management 6.2」「SAS Financial Management 4.0」の販売を開始したと2月3日に発表した。

米SAS Instituteのワールドワイド・マーケティング事業部 パフォーマンス・マネジメント・ソリューション担当ストラテジスト ゲーリー・M・コーキンス氏

 米SASのワールドワイド・マーケティング事業部 パフォーマンス・マネジメント・ソリューション担当ストラテジスト ゲーリー・M・コーキンス(Gary M. Cokins)氏は、パフォーマンス管理について「組織のパフォーマンスと戦略を管理する方法、測定、過程、ソフトウェア、システムを包括する」と説明したうえで、CRMやERP、バランスト・スコアカードなど多くの企業が導入しているパフォーマンス測定のためのツールを統合するのがパフォーマンス管理の役割と指摘した。

 また、コーキンス氏は、優れたビジネス戦略を持ちながらもうまく実行できずに企業が失敗するのは、パフォーマンス管理のためのツールを分離して別々に運用しているのが原因といい、「戦略が実行できない企業の問題を解決するのがパフォーマンス管理だ」と述べた。「将来の予測と初期段階の警告に基づき、企業は事前に対策をとる必要がある。事が起こってから反応するのでは手遅れとなる」。

 SASのSAS Financial Intelligenceはパフォーマンス管理ツールを統合した製品。ETL(データの抽出/加工/ロード)、データウェアハウス、分析・レポーティングの各ソフトウェアで主に構成される。今回発表したSAS Strategic Performance Management 2.0は、KPI(重要業績評価指標)管理のソフトウェア。SAS Activity Based Management 6.2は財務データ管理、SAS Financial Management 4.0は連結会計に対応したレポート作成、分析、予算策定などの機能がある。

 SASはSAS Financial Intelligenceの専任部隊を設置し、販売・サポート体制を強化する。各ソフトウェアの価格は1500万円から。初年度に15社の導入と2億円の売り上げを目指す。

 また、SASの代表取締役社長 堀昭一氏は2004年の新規ソフトウェアの売り上げが前年比50%増になったことを説明し、「ビジネス・インテリジェンスを導入し、リスクをマネジメントする企業が増えたのが要因」と分析。そのうえで「戦略を結果につなげるためのパフォーマンス・マネジメントが今年は日本でも伸びる」と語った。

(@IT 垣内郁栄)

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SAS Institute Japanの発表資料

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