対マイクロソフトは値段勝負? トレンドマイクロ

2005/2/8

 トレンドマイクロは2月4日、2004年第4四半期・通期の決算報告会を開催した。第4四半期の売上高は177億3500万円(前年同期比32%増)、営業利益は78億8000万円(同50%増)、純利益は47億3800万円(同31%増)だった。2005年1月より同社の代表取締役社長CEOに就任したエバ・チェン(Eva Chen)氏は、「2004年は準備の年だった。2005年は実行の年にする」と抱負を語った。

トレンドマイクロの代表取締役社長 兼 CEO エバ・チェン氏

 2004年通期では売上高620億4900万円(前年同期比29%増)、営業利益260億7800万円(同72%増)、純利益158億7500万円(同72%増)となっており、代表取締役CFOマヘンドラ・ネギ(Mahendra Negi)氏は「特に注目すべきは、営業利益率が2003年度の32%から42%に上昇している点だ。さらに業務効率を改善し、効率化を図りたい」と語ったほか、「2004年はBlasterのような被害が大きいウイルスは登場しなかった。それにもかかわらず売り上げが上昇したことは、ウイルスがアウトブレークしなくても売り上げに影響しないことの証明となった」点に自信を見せた。

 地域別売上高では日本が39%で最も多く、欧州の29%、北米の19%と続いた。顧客別売上高では、日本がコンシューマー向けの売り上げが約41%、エンタープライズ向けが約59%なのに対して、北米ではエンタープライズが約87%、欧州でも約96%とエンタープライズ向けが大部分を占めている。なお、2005年第1四半期の業績予想は、売上高163億円(前年同期比20%増)、営業利益62億円(同21%増)、純利益38億円(同21%増)とされている。

 チェン氏は、2004年をシスコシステムズやHotmailとの提携などさまざまな契約を締結した“下準備期間”と説明。2005年は、シスコと共同開発した製品をリリースするなど“実行の年”になると強調した。さらに、2004年に流行したスパイウェアやフィッシング詐欺について、「2005年にはこれらの脅威がさらに増すだろう。不謹慎ないい方かもしれないが、これらは当社にとってはチャンスでもある」と語った。一方で、マイクロソフトが20051月より無料のウイルス対策ソフトやスパイウェア対策ソフトの提供を開始した点について、「最近の業界動向では一番大きな動きだ」と説明。「マイクロソフトが無償でウイルスやスパイウェア対策ツールを提供することにより、当然価格下落が起きるだろう。当社も値下げに応じなければならないだろうが、コスト削減などにより対応していきたい」(チェン氏)と語った。

 チェン氏は「ツールからサービスへの転換」を決算報告会で繰り返し強調した。これは、従来のウイルス対策ソフトという“ツール”的なものから、専門的なノウハウを持った全体的なサービスへ移行を目指すというものだ。具体的には、従来のファイアウォールやウイルス対策サーバなどの個別製品による対策ではなく、セキュリティ対策製品を一括管理して集中管理可能なサービスとして提供していく。また、「ワイヤレスやATM、POSといった新規分野にもチャレンジしていき、マイクロソフトの(参入による)影響を薄めたい」(チェン氏)と2005年の戦略を示した。

(@IT 大津心)

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