2006年がEPCネットワーク元年、ベリサイン

2005/2/25

 2004年9月にRFID(Radio Frequency Identification、無線ICタグ)事業への本格参入を発表した日本ベリサインは2月24日、EPC(Electronic Product Code)ネットワークに関する活動状況や、標準化の進行状況などを説明した。EPCネットワークはRFIDを活用した物流管理ネットワークで、標準化活動によって世界規模のSCM(サプライチェーンマネジメント)の実現を目指している。標準化作業は、非営利団体「EPCglobal」が中心となって推進している。

日本ベリサイン ビジネスディベロップメント部 課長 田口 慶二氏

 EPCネットワークでは出荷製品のRFIDにEPCを記録し、メーカーやベンダなどが独自に設置する「EPC Information Services(EPC-IS)」に製品情報を保存する。出荷後は、小売業者や流通業者がRFIDからEPCをスキャンし、EPC-ISに保存されている情報を引き出す。EPCは、製品のトラッキングにも利用できる。

 EPC-ISに保存されている情報を引き出す際には、インターネットのドメイン名解決と同様に「Object Naming Service(ONS)」と呼ばれるサーバを参照し、EPC-ISの場所を聞き出す。ベリサインは2004年1月にEPCglobalより委託を受けて、ONSのルートサーバを運用している。日本ベリサイン ビジネスディベロップメント部 課長 田口 慶二氏は、「当社は世界に14拠点あるインターネットのルートサーバのうち、2カ所を運用している。その運用実績やSSLの認証技術を買われて請け負ったものだ」と語り、ONSルートサーバの委託運営を担った理由を説明した。

 ベリサインは「ATLAS」という「早くレスポンスを返す技術」(田口氏)を持っており、ルートサーバなどに活用しているという。ベリサインのDNSルートサーバには「.com」の要求が1秒間に11万406回、「.net」の要求が1秒間に4万529回来ているが、ATLASによって対応している。

 EPCglobal Network関連の標準化動向に関しては、Root OCNとLocal OCNの標準化が完了しており、EPC ISやEPC Discovery Services、Securityの標準化作業が進行中だ。田口氏は「2005年中には標準化が完了すると思われる。EPC ISに関しては現在75〜80%程度完了しており、6〜7月には標準化が完了する見込みだ」と予測した。このような状況を踏まえて、「ベンダ各社は見切り発車して製品化を進めている」(田口氏)状況だという。

 ベリサインもある程度標準化させる仕様を予測して作成した、評価用EPCネットワークサービス「EPC Starter Service」を提供している。これはテスト用のONSやEPC IS、シリアル番号などEPCネットワークのシステムをベリサインが提供し、EPCネットワークを試験運用できるというサービスだ。田口氏は「サプライチェーンマネジメントをぶっつけ本番で稼働させる企業は絶対あり得ない。早めに実装したい企業は現在、このサービスを利用して実験することで、標準化完了後にスムーズに本番環境へ移行できるだろう」と説明した。国内では、現在Auto-IDラボ・ジャパンとNTTコミュニケーションズの2社が利用しているという。

 なお、海外ではEPCネットワークでの利用を想定したRFIDリーダとインターネットアクセス機能を有した携帯電話も開発されており、EPCの実践段階に突入しつつあるという。田口氏は、「米ウォルマートは『2006年よりEPCを本格稼働させる』といっているが、当社も2006年の本格稼働に向けて着実に進んでいる状態だ」と語り、EPCネットワークの本格稼働が近づいていると説明した。

(@IT 大津心)

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