グローバル予算の20%を日本に、SAPが人事管理に注力

2005/3/8

 SAPジャパンはSAP R/3、mySAP ERPの人事管理機能に対応した無償テンプレートの新バージョン「ベストプラクティスHCM」を4月に提供を開始すると3月7日に発表した。SAPはグローバルで人事管理(HCM)、CRMに注力する方針を鮮明にしている。SAPジャパンでも企業の人事部門、営業部門に直接アプローチする新組織を2005年1月1日付で発足させた。SAPジャパンのストラテジックソリューション事業本部 HCMソリューション部 ソリューションアーキテクト 山田進一氏は「HCM、CRMは顧客の要望が多様化している」と述べ、新組織の設立や新テンプレートの提供で顧客のニーズに柔軟に対応する方針を説明した。

SAPジャパンのストラテジックソリューション事業本部 HCMソリューション部 ソリューションアーキテクト 山田進一氏

 ベストプラクティスHCMは1999年に最初のバージョンを提供。モデル就業規則集と設定済みのパラメータ、サンプルデータ、ドキュメントなどで構成される。カスタマイズを行うことなく、ERPに導入するだけで人事管理の効率を向上させられるという。2004年からはSAPジャパンとパートナー企業30社で構成する「SAP HCMパートナーコンソーシアム」がテンプレートのプログラム群を「拡張機能ライブラリー」として開発、提供している。

 新バージョンは、パートナー企業が提供する構築・診断ツールや人材アセスメントツールの自動連動プログラムを含む。「勤怠計算書フォーム」「源泉徴収票照会」「年末調整情報変更」「休日出勤」など日本企業向けの機能や、リクルートマネージメントソリューションズなど他社のサービスと連携する機能が強化される。

 SAPジャパンは、ユーザー団体の「SAPジャパン・ユーザ・グループ」からHCMに関する要件を常に収集していて、その要件はテンプレートか、ERPの標準機能に順次搭載される。テンプレートは素早い対応が必要な要件に対応し、1年に数回バージョンアップする。2004年は3回のバージョンアップを実施した。対応は急がないが基本機能として盛り込む必要があると判断した要件は、mySAP ERPの標準機能として搭載していく。SAPジャパンによるとベストプラクティスHCMは2004年度に30本を提供。2005年度は新たに45本の提供を目指す。

 山田氏によるとmySAP ERPの標準機能はこれまでSAP本社が世界共通で開発していたが、今後3年間は開発予算のうちの一部が、人事管理についての各国固有の要件に対応する機能開発の予算として計上される。日本は各国固有の開発予算の20%が割り当てられているといい、山田氏は「日本の位置付けは高い」と述べた。

 SAPジャパンは1月1日付でストラテジックソリューション事業本部を立ち上げた。これまでの産業別、企業規模別の営業ではなく、HCM、CRMなどソリューションの軸からマーケティング、営業、プリセールスの各機能を提供するのが特徴。HCMとCRMについて「個別具体的なソリューションを人事部、営業部などのユーザー部門に直接アプローチする」(山田氏)としている。

(@IT 垣内郁栄)

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SAPジャパンの発表資料

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