「コンプライアンスはもはや必須」、EMCに聞くIT活用のツボ

2005/3/10

 米EMCのEMCソフトウェア グローバル・インダストリー・グループ 金融担当ディレクター アレン・ハリス(Allen Harris)氏は企業のコンプライアンス(法令順守)に対応し、訴訟に巻き込まれた企業が裁判で必要となる文書や電子メールを社内で効率的に見つけ出し、訴訟手続きのプロセスを自動化する「Electronic Discovery」(電子開示)ソリューションを、今春にも米国で投入する考えを示した。

米EMCのEMCソフトウェア グローバル・インダストリー・グループ 金融担当ディレクター アレン・ハリス氏

 Electronic Discoveryソリューションは弁護士の通達から訴訟、社内データの保全、文書の検索、証拠の提示など訴訟に関するプロセスを自動化する。EMCのストレージ製品と管理ソフトウェア、買収したドキュメンタムのコンテンツ管理ソフトウェアを組み合わせる。コンテンツ管理のレポジトリを作成し、ポリシーに基づいた検索で必要な文書だけを探し出し、不必要な文書は見えないようにする。情報にメタデータを付けてインデックス化し、文書の特定に役立てるという。

 米大手保険会社の訴訟ケースでは、訴訟の準備に40人の弁護士が3カ月かかりきりになり、3万件の文書と85万件の電子メールを調査したという。ハリス氏は、Electronic Discoveryソリューションについて「(すべてを解決する)魔法のつえではないが、Electronic Discoveryソリューションの活用で弁護士のコストや原告、被告で証拠をレビューするコスト、文書検索のコストを削減できる」としている。

 ハリス氏は米企業のコンプライアンスへの認識について「オプションではなく必須の対応になっている」と指摘した。コンプライアンス対応のために多額の予算を計上する企業も増加。コンプライアンスに対応するため、情報システムを活用してプロセスの自動化を目指す企業も多いという。「しかし、多くの企業はトラッキングシステムの実装、レコードの管理を始めたばかりで、コンテンツをポリシーベースでコントロールすることには踏み込んでいない」(ハリス氏)。

 EMCは、画像や電子メールなど変更しないデータを保存するストレージ製品「EMC Centera」やドキュメンタムのコンテンツ管理ソフトウェアを活用し、「トータルなコンテンツの管理システムを提供する」(ハリス氏)という。

 EMCが目指すのはポリシーに基づき、コンテンツ管理を自動化すること。記録の保持に関するポリシーの設定から、情報のチェックイン/チェックアウト、コンテンツのコピー、破棄などをシステム化し、管理可能にする。これによって「企業の対応が問われたときに法的な意味で正当に対処してきたことを証明する」(ハリス氏)。

 ハリス氏はEMCが提供するコンプライアンス対応ソリューションについて前述のElectronic Discoveryソリューションとともに「電子メール管理が最初の分野になるのではないか」と語った。企業が持つ情報の中でも電子メールの量は膨大。そのうえ、構造化されていないため必要な情報を見つけ出すのは難しく、企業のニーズがあると判断した。

 ハリス氏は日本で4月に施行される「個人情報の保護に関する法律」(個人情報保護法)にも言及し、「特定の人だけに情報を提供し、不必要な情報の流出をブロックするのは、訴訟で情報を裁判所に提出するプロセスと同じ」と指摘。EMCのコンプライアンス関連ソリューションが、個人情報保護法対策を行う日本企業に対しても有効との考えを示した。ハリス氏はコンプライアンス対応について「日本企業の関心は高い」と述べ、「日本でも新しい技術の採用でリーダー的な企業が現れるだろう」と語った。

(@IT 垣内郁栄)

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EMCジャパン

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