[Interview]
開発者はこんなに怒っているんだ! ボーランド

2005/3/11

 米ボーランド ソフトウェア製品統括シニアバイスプレジデント ボズ・エロイ(Boz Elloy)氏が来日し、製品戦略などを語った。エロイ氏は、まず同社が2004年9月に発表した新しいビジョン「Software Delivery Optimization(SDO)」を説明した。

 ボーランドは過去20年以上にわたって開発者を支援するソフトウェアを提供してきたが、SDOはさらに生産性を高め“ソフトウェア開発を予測可能なビジネスプロセスに変革する”ためのコンセプトだ。SDOではコードの記述だけでなく、ビジネス・システム自体を最適化して生産性を上げる。しかし、エロイ氏は「現状では66%のプロジェクトが受注された機能を満たしているにもかかわらず、顧客を満足させられていない」といった事例が多く存在すると指摘し、その原因として「現在のソフトウェア開発では、機能以上のものが求められている」と説明した。

米ボーランド ソフトウェア製品統括シニアバイスプレジデント ボズ・エロイ氏

 特に日本の開発環境に関しては、「ソフトウェア開発に多額の投資をしている」や「ソフトウェア投資が成熟していない」と分析。しかし、製造大国であるため、製造業の良い製作プロセスなどを取り入れたSDOの導入が有効かつ必要だと語った。そのほかにも、使用者と開発者との間のギャップも問題であると指摘。「開発者は使用者のことを考えて開発しなければならないし、逆に使用者は開発者のことを考えて要求を出さなければならない」と説明している。特にこの両者のすり合わせを、初期段階において行うことことが重要だという。

 このSDOを実現するための課題は3つある。「プロジェクトに存在するギャップの解消」「プロジェクトをコントロール可能にすること」「ビジネスとの連携を高められること」だ。日本語版が4月に発売される予定のコードネーム「Themis(テーミス)」では、アプリケーション開発に携わるスタッフが同一の開発リソースを共有することを目指している。

 「Hyperion(ハイペリオン)」はテーミスを基礎に提供者の範囲を拡大し、さらにプロジェクト・マネージャやIT部長なども含めてサービスを提供するというもの。これにより、可視性と予知可能性を実現しているという。具体的には、発注元企業との開発プロセスの進ちょく具合の共有なども可能になり、開発元と開発者間の関係をより密接にできる。

 「Prometeus(プロメテウス)」はさらに提供範囲を広げ、「プロジェクトポートフォリオ管理」や「リソース/スキルプランニング/アロケーション」といった機能を提供し、経営層が開発プロジェクトを俯瞰(ふかん)してリソースの分配や投資の意思決定の手助けをする。「イメージ的には、ソフトウェア開発のERPだ」(エロイ氏)。同氏によると、一般的な財務・会計ERPパッケージとの連携も計画しているという。

 エロイ氏はSDOの有効性について、「SDOによって経営層もソフトウェア開発の状況を把握し、的確な判断を下せば、プロジェクトの失敗は減る」と説明。「開発者が最も怒る状況というのは、トップダウンできたプロジェクトであるにもかかわらず、トップが判断ミスをしたために計画がとん挫してしまうことだ。このような事例をなくすためにも、SDOを理解して取り入れて欲しい」述べ、「経営者に対して、開発者はこんなに怒っているんだ! ということを伝えたい」と強調した。

(@IT 大津心)

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